私は武蔵野市には1年しか住まなかったが、市民サービスの面でいろいろ工夫された施策が行われているように感じた。
例えば、武蔵野市では、小さなバスで一般バスルートから遠い地域を巡るムーバスというコミュニティバスを1995年から運営していて、他の市の見本となった。
また、コミュニティーセンター(コミセン)という施設が市内各地域に20もある。いわゆる集会所だが、他市でみられるように寂れて、ときどきしか使わない施設でなく、年中活発に活動している。
さらに、武蔵野市のテンミリオンハウス事業は、地域に根付いた市民間の助けあいを支援する制度だ。市が建物だけ作るいわゆる箱物でなく、第三セクターのような民活でもなく、民間主体の運営で、市が費用を補助するという形で、なかなか上手く運営されていると思う。
乱暴に言うと、引越しなどで空いた土地・建物を所有者の協力を得て市が借り上げ、地域に密着した福祉事業をNPOなどに計画、運営させ、1千万円を限度として運営費用を補助するという制度だ。民間の自主性を最大限に発揮させるところが最大の利点だと思う。
以下、武蔵野市・健康福祉部・高齢者支援課による「テンミリオンハウス事業パンフレット」や、武蔵野市のテンミリオンハウスのHPを参考に概要を説明する。
「テンミリオンハウス事業」とは、地域の実情に応じた市民などの「共助」の取組みに対して、年間1000万円(テンミリオン)を上限として武蔵野市が運営の費用を補助・支援する事業だ。現在7つ施設が市内の各地区にあって、独自の活動を行っている。
市民の“身”近にあって、“小”さな規模で、“軽”快なフットワークで市民のニーズにこたえるのがこの事業の身上だ。
(1) 引越しなどにより、事業にふさわしい土地・建物が、利用可能となると事業実施を希望する団体を公募する。
(2)市は委員会により応募団体の提案を審査し、団体を選定し、補助金額を決定する。
一例として、「テンミリオンハウスくるみの木のHP」と、私がお手伝いしている「テンミリオンハウスくるみの木ブログ」をご紹介。