廣野嗣雄のクリスマス・オルガン・リサイタルを聴いた。
場所は、いつもの武蔵野市民文化会館の小ホール。ここに来る度に見せつけられていたパイプオルガンの演奏をついに聴くことができた。
前半はドイツ音楽で、20世紀のディストラーから、ロマン派のレーガー、そしてバッハと時代をさかのぼり、休憩をはさんでフランス音楽のバロックのダンドリューやダンカンから、ロマン派のヴィエルヌ、20世紀のメシアンと現代に戻る構成だ。もっともらしく書いたが、私が聞いたことがあるのはバッハだけなのだが。
フーゴー・ディストラー(Hugo Distler, 1908年 - 1942年)は、ヒットラーにより頽廃音楽の烙印を押され、34歳で自殺した。
マックス・レーガー(Maximilian Reger, 1873年-1916年)は、とりわけオルガン奏者、オルガン曲の作曲家として知れられている。
J.S.バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685年- 1750年)は、近代音楽の父、ベートーヴェン、ブラームスとともに“ドイツ三大B”と呼ばれる作曲家。オルガン奏者としても高名で、手の鍵盤の他に足鍵盤(ペダル鍵盤)を煩雑に駆使する難曲を作曲した。バッハ以降、足鍵盤を煩雑に使うオルガン曲は100年程作曲されなかったと説明があった。
ダンドリューと、ダンカンはルイ14世の宮廷オルガニスト。オリヴェィエ・メシアン(Olivier Messiaen, 1908年 - 1992年)は20世紀を代表する作曲家で、オルガン奏者としても高名。
廣野嗣雄は、東京芸術大学オルガン科卒業、ドイツ留学で教会音楽を学び、東京芸術大学教授を務め、日本のオルガニストの第一人者。
特製のドイツ・クリスマス菓子(シュトーレン、500円相当)のプレゼント付きで、ペアー券1500円はご満足。
帰り道、アンコールで皆が歌ったきよしこの夜を口ずさみながら、帰途についた。