hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

平岩弓枝『私の履歴書』を読む

2012年08月24日 | 読書2

平岩弓枝著『私の履歴書』2008年11月日本経済新聞出版社発行、を読んだ。

女流作家、脚本家が、戦争中の少女時代から、よき師・先輩・家族に恵まれ、作家デビューし、テレビ・舞台の脚本、時代小説で大活躍した半世紀を振り返る自伝エッセイ集。

私の履歴書
戦争中の千駄ヶ谷八幡神社に生まれたが、父が代々木八幡神社に養子に入ったために代々木八幡神社境内が遊び場であったという。

『高安犬物語』で前年直木賞を受賞した戸川幸夫を友人に紹介され9回書き直しなど薫陶を受け、当時の大御所の長谷川伸の同人「新鷹会」に入る。
長谷川伸とお弟子さん達、といっても今や大御所達、の絆の深さに時代を感じる。
そして、「肝っ玉かあさん」「女と味噌汁」など人気TVドラマの脚本を書いて活躍する。

お母さんは美人であった。岩田専太郎画伯がお母さんをモデルにしたいと申し込んだが無視されたと言う。そして、平岩さんに「あなたはお父さんに似たのですかね」

時移りて
時代考証や日常の出来事、旅行のエッセイ

初出は、私の履歴書:日本経済新聞朝刊2008年7月1日~31日、時移りて:大衆文芸2007年2月号~2008年月号

平岩弓枝(ひらいわ・ゆみえ)
1932年東京生まれ。父親は代々木八幡社の神職。
1955年日本女子大学国文科卒業。小説家戸川幸夫の弟子入り。
長谷川伸の新鷹会で勉強。同門の伊藤昌輝と結婚。
1959年「鏨師」で直木賞受賞。
TVドラマ「旅路」「肝っ玉かあさん」、時代小説「御宿かわせみ」シリーズなど…



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

一時代前の時代小説作家の世界がかいま見られる。
日経の連載の「私の履歴書」は読んだことはないが、偉い社長さんの自慢話や会長さんの教訓話のイメージがある。平岩さんは文筆家で謙虚だから、自慢話はないが、諸先輩に引き立てられて次々成功する話ばかりだ。女流作家がまだめずらしい時代で、謙虚な努力家なので、諸先輩に可愛がられ、薫陶を受けて小説、脚本、そして小説と50年の文筆生活を築き上げる。
苦労話や創作の行き詰まりをブレークした事などがもっと書かれていると深さが増したのにと思う。

代々木八幡さまの境内の話が出てきて懐かしい。我が家は氏子であった。(「だまされて楽しい八幡様のお祭り」)



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