hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

柚木麻子『伊藤くん A to E 』を読む

2013年12月26日 | 読書2

柚木麻子著『伊藤くん A to E 』(2013年9月幻冬舎発行)を読んだ。

見た目良し、金持ちの息子、なんでも知っている。見たいものだけ見て、ご機嫌に暮らしてゆける生活。しかし、自意識が強く、他人を平気で傷つけるが、自分は傷つき易く、自分に甘い。本気でなりたいのか、シナリオライター希望の伊藤誠二郎、27歳。
こんな男に振り回される魅力的な5人の女性の恋、苛立ち、嫉妬、執着。

A
デパート勤務の島原智美は、スタイルも良く、美人なのに、伊藤に粗末に扱われ続ける。もはや好きかどうかもわからなくなって、単にむきになっているのかも。

B
学芸員だったことが忘れられず、フリーターで貧乏生活、身なりも構わない野瀬修子。伊藤からストーカーじみたアプローチに戸惑い、ブチ切れる。

C
可愛らしさでこれまで11人の男の子と関係したが、22年間一度も恋人がいたことはないのではないかと思うデパ地下ケーキ店の副店長の相田聡子。バイトの市橋くんにちょっかいを出す。親友の神保実希は美人なのに男性に人気ないと思い込み、地味な服装で勉強ばかりだが、もう3年も伊藤を思い続けている。

D
処女を理由に重たいと伊藤にふられた実希は、実家に戻り、大学職員になる。そして、伊藤を振り向かせたいがために、好きでもない売れ始めた放送作家クズケンを初体験の相手に選ぶが、・・・。

E
すでに売れなくなった33歳の脚本家、矢崎莉桜は、勉強会を開催し、伊藤も熱心に通う。引きこもりの彼女の部屋はゴミ屋敷となっている。唯一の勉強会出身の成功者、クズケンが来て、掃除しようと促すがなんとか断る。伊藤が来て、長編を書くという。4人の女の子に振り回され、振り回し、僕の方から全員フッた経験を書くという。

初出:「GINGER L.」2011WINTER05号~2012WINTER09号の連載に加筆・訂正



私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

バタバタと男女が付いたり離れたり。こうだと言っていたのに、実はこうだったと右往左往。伊藤くんみたいな男性は確かにいるだろうが、あまりに振幅が大きく、楽しく読めない。


柚木麻子の略歴と既読本リスト

 





文春図書館」の「著者は語るより。


モデルは存在するのだろうか?

「明らかにいますね。というか、最初の『伊藤くんA』という章は、ほぼノンフィクションです」
「ところが、どう書いても伊藤は傷つかない。こてんぱんにやっつけるはずが、なぜか傷つくのは女性の側。それは彼が、傷つくのを恐れて何もしない、完全な“無”だからです。人と同じ土俵に立たないのだから、何もしないというのは最強ですよね。彼は無神経で鈍感なのではなく、言わば“モンスター”なんです」
?モンスター人間と関わって傷ついたり、迷惑をかけられたりする女性たち。だが、伊藤と違ってきちんと“傷つく”彼女たちは、やがて彼から巣立っていく。
私は女の子が辛いことから逃げたり、楽に生きたりするのは大賛成です。だけど、傷ついちゃダメっていう考え方も良くないと思う。登場する女性たちは、傷つくことで人生に折り合いをつけて、イイ感じに羽ばたいていけると思いますよ



コメント
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