酒井順子著『そんなに、変わった?』(2013年6月講談社発行)を読んだ。
「週刊現代」の連載をまとめたものということで、本全体のテーマはなく、その時々の街や、身の回りの女性達の話題を拾い集めている。
健さんはスマホを持っているか?
・・・最近、「電車の中でいちゃいちゃするカップル」も、滅多に見なくなりました。・・・「あら、最近のしては珍しい。どんどん抱き合いなさいね」とエールを送りつつチラと見ると、・・・女の子の方は、ひしと男の子に抱きついているのに対して、男の子は一応、女の子に手を回しながらも、片手でスマートフォンを操作しているではありませんか。
字ギレイ顔
字がきれいな人には、ある種の特徴がある気もします。女性ならば、色白で黒髪、顔立ちははっきりしすぎず、涼しげ。女優で言うなら檀ふみさんのような感じで、あまりお色気ムンムンではない・・・。しかし、そんな私の「美しい文字信仰」を崩したのは、あの連続殺人疑惑の木嶋香苗被告でした。
嫁力と姑力
嫁力が最高値まで鍛えられた時に、嫁という生き物は姑と化すのだと私は思います。嫁は、自分の息子が結婚した時に姑になるのではなく、嫁力を鍛えていくうちに、じわじわと姑化していくのではないか。・・・
嫁という人々は往々にして、婚家に家風や習慣を、その家に生まれた人よりもきちんと身につけているものです。
高齢者は金次第、若者は顔次第
「順子ちゃん、私達のあいだでは今、〇〇園(浴風園)に申し込むのが流行ってるのよ」・・・「何年か前に申し込んだ時は、何と十六年待ちですって言われたわ。『その時まで、お元気で!』ですって。老人ホームに入るのも、健康第一なのよ」
初出:「週刊現代」2012年5月~2013年4月の連載からの46本
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
さすが、女性で、連載エッセイスト、常にネタを探している酒井さんの観察眼は細かい。考察が “常識+α“ なのもそれなりの人気を保っている理由だろう。それにしても、もう8冊目とはご苦労様です。
アラフォー過ぎの女子が集まり姦しい。かっては、そちら関係のシモネタで盛り上がっていたお仲間も、今では「シモはシモでも、自分のシモではなく親のシモについての話になったとは・・・」と慨嘆している。
酒井順子の略歴と既読本リスト