hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

『シルバー川柳ベストセレクション』を読む

2022年10月13日 | 読書2

 

公益社団法人全国有料老人ホーム協会、ポプラ社編集部編『シルバー川柳ベストセレクション』(2021年11月1日ポプラ社発行)

 

2001年より公募された川柳の入選作20を含む88作が「シルバー川柳」として毎年刊行されている。本書は20周年を記念し、これまでの入選作400句の中から選りすぐりの100句の傑作を掲載。

今年の入選作は「有老協・シルバー川柳」。 このブログでも一つだけ紹介した(「シルバー川柳7」)

 

2001年~2008年

赤い糸 夫居ぬまに そっと切る    大垣久美子

いびきより 静かな方が 気にかかり  田中多美子

デパートで 買物よりも 椅子探し   渡辺一雄

(バンクーバーでショッピングにお付き合いし、くたびれてエアコンの吹き出し口に腰かけていると、男性が近づいて来て「いい所見つけたね。奥さんは買物中?」らしきことを話しかけてきた。そこで店内の小柄な相方を示しながら、“She isn’t tough without shopping.” と言ったら、男性は大笑いをして、並んで座ったことを思い出した。)

 

驚いた (惚)ホれると (惚)ボけるは 同じ文字  原好英

あの世では お友達よと 妻が言い   藤本明久

来世も 一緒になろうと 犬に言い   延沢好子

(大方のところ、年とって気弱になった男性はやさしくしっかりした妻に頼り切りとなる。「あの世でもまた一緒になろうな」と妻に言うが、妻の方は言葉を濁す。かっての女性は結婚した男性により、経済状態、生活様式などがほぼ決まってしまった。まあ良い人生だったかなと思っても、また違った人生も味わってみたいと思うのだろう)

 

2009年~2014年

中身より 字の大きさで 選ぶ本    西村嘉浩

(この本はめちゃ大きな字で、どなたも眼鏡なして読めます)

誕生日  ローソク吹いて 立ちくらみ 今津茂

(結婚して初めての相方の誕生日。初めてケーキ屋に入って小さな丸いケーキを買ったが、ローソクの本数を聞かれて、25本と言いそうになって、あわてて5本と言い直した)

アイドルの 還暦を見て 老いを知る  二瓶博美

(かってのアイドルはもはやTVなどにめったに出てこない。何かのときに登場した元アイドルを見て、止まっていた記憶のアイドルが急に老けた様子にショックを受ける。そして自分もそうだと思い知る)

 

2015年~2020年

やっと立ち 受話器を取れば 電話切れ 井堀雅子

チンをして 出すの忘れて 冷蔵庫   岩手のがよこ

(昼飯は私の当番で、といってもほとんど残り物配膳係に過ぎないが、チンすることはある。ところが、電子レンジの上に置いたままのものを食後に見つけることがよくある)

ルンバさえ 超えてる段に 足とられ  あーさまま

失言は 家庭内でも 命取り      おたやん

 

 

私の評価としては、★★★★★(五つ星:読むべき、 最大は五つ星)

 

「そうそう、あるある」、誰にでもあることだと改めて納得する。嫌な事、辛い事は笑い飛ばすのが一番。

 

でも若い人は読んでも無駄。頭で理解できても、実際に年取らないと分からないことばかり。

 

コメント
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