hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

桜井美奈『殺した夫が帰ってきました』を読む

2022年10月25日 | 読書2

 

桜井美奈著『殺した夫が帰ってきました』(小学館文庫、サ40-1、2021年4月11日小学館発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

都内のアパレルメーカーに勤務する鈴倉茉菜。茉菜は取引先に勤める穂高にしつこく言い寄られ悩んでいた。ある日、茉菜が帰宅しようとすると家の前で穂高に待ち伏せをされていた。茉菜の静止する声も聞かず、家の中に入ってこようとする穂高。
その時、二人の前にある男が現れる。男は茉菜の夫を名乗り、穂高を追い返す。男はたしかに茉菜の夫・和希だった。しかし、茉菜が安堵することはなかった。なぜなら、和希はかつて茉菜が崖から突き落とし、間違いなく殺したはずで……。
秘められた過去の愛と罪を追う、心をしめつける著者新境地のサスペンスミステリー!

 

プロローグ

茉菜が夫を崖から突き落す。

 

第一章

アパレルメーカーで商品企画・デザイン担当として働く茉奈は28歳になっている。取引先に勤務する穂高がストーカーになって茉奈の自宅にまで押しかける。危うい所を追い返してくれた男は茉奈の夫の和希と名乗り茉菜の家に上がり込んだ。茉奈の記憶でもその顔は和希に間違いなかった。夫の双子なのだろうか? 和希は過去の記憶を一部なくしていた。警察に通報出来ない茉菜は和希と一緒に暮らすこととなった。かつての和希は暴力的な男だったが、乱暴な面はまったく見られなかった。

茉菜が母親から虐待された子供時代の回想譚が挿入される。

 

第二章

茉菜は和希が警察官姿の修斗と友達らしく話をしているを見かけた。オトリ捜査?

母親の愛人、義兄に犯されていた16歳の茉奈の回想がが挿入される。

 

第三章

「オマエが殺した」という手紙が茉菜に届く。宮城県警から和希の白骨死体が山中で発見されたと連絡を受け、刑事の西垣から追求を受けるが、結局事故死として処理される。茉菜は16歳の頃に住んでいた岩手へ行き、そこで和希と出会い、和希は佑馬と……。

茉菜が20歳の頃、東京に出て来て店で友達になった寧々がDV夫のために流産してしまった回想の挿入。

 

最終章

和希が本当の夫と思い込む理由など、伏線が回収される。しかし、不明のままの点も残るラストとなる。

 

 

文庫書き下ろし。

 

 

私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?  最大は五つ星)

前半は、じれったいほどゆっくりと丁寧に進む。一方で、和希の登場が早すぎる。もっと和希を殺した怖れに苛まれる生活を描きこんでから、そこへ突然の和希登場で、驚くといった展開の方が良かったと思う。

 

最終章の謎の解明は、好いじゃないと思ったのだが、茉奈の心理描写がほとんどされていないし、感動を盛り上げる描写もないんで、今一つ盛り上がらない。

 

題材は面白いのに、はっきり言って一時流行った携帯小説並の執筆技術。私が書き直してあげたいくらい??
冴えてる題名に騙された。

 

 

桜井美奈(さくらい・みな)

1975年生れ、新潟県在住。

2012年第19回電撃小説大賞受賞し翌年同作『きじかくしの庭』で作家デビュー。

以後、新作発表が途絶えていた。

2017年以降、『嘘が見える僕は、素直な君に恋をした』、『塀の中の美容室』『さようならまでの3分間』『幻想列車 上野駅18番線』などを発表。

コメント
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