hiyamizu's blog

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平安寿子「恋愛嫌い」を読む

2009年04月21日 | 読書2
平安寿子「恋愛嫌い」2008年10月、集英社発行を読んだ。

「感情の量が足りない、色気皆無と言われる」「諦めるのは何より上手」「前向きという言葉が嫌い」等、恋が苦手な女性達を描いた、リアルでじんわりと勇気をくれる連作短編集。

最近よくある女性達の友情物語で、3人を交互に描くこれも最近多い連作形式。
勤め先も異なる3人はプライベートに干渉しないで、基本的にランチのときだけの、距離を保った付き合いしている。35歳の鈴枝、29歳の喜世美、26歳の翔子と年代も少しずつずれている3人が思わぬ縁で知り合う男との関係で揺れ動く。

感情に溺れない、溺れられない性分の喜代美は、危なくなると、「バカじゃないの?」ともう一人の自分がツッコミを入れるあきらめ上手。「あきらめてばかりいたら女の干物になるわよ」と言われてしまう。

ペットの猫、ブログとレンタルビデオだけの生活の人付き合いが苦手な翔子は、オシャレにまったくかまわないくせに面食い。

知性派美人でスタイル良く、毒舌家の鈴枝は、考え事をすると眉間にしわがより怖い顔になり、色気がない。頑張って何でも前向きというのが大嫌い。

いずれも、候補の男性が現れ、決定的欠点もないのだが、女性達は積極的になれず、最後のところで踏み切れない。昔と違って、出産限界のみで婚期がなく、独り暮らしの現状維持が可能だと、ためらい続けるのかもしれない。



平安寿子は「たいら・あすこ」と読む。私は、「へいあん・としこ」と読むのかと思っていた。
平安寿子は、1953年広島県生まれ。1999年「素晴らしい一日」でオール讀物新人賞受賞。2005年「グットラックららばい」が「おすすめ文庫王国2005年度版」で本の雑誌が選ぶおすすめ文庫ベスト10の第1位に選ばれる。



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)


最後がバタバタとまとめてしまったのは残念だが、それぞれの人物は良くかけていて、軽く読め、そして楽しめる。

はっきりしない相手の気持ちがわからないという男性はこの本でも読めば、場合によっては当てはまり、強引に出れば、成功するかも。もっとも、決定的破局に至っても責任は持てないが。

女性は反面教師として読むのがよいだろう。女性がこんな本読んで納得していたら、ますます縁遠くなる。結婚なんて勢いでするものでしょ。それじゃなきゃ、いつまでもできません絶対に。

「結婚前には両目を開き、結婚してからは片目をつぶっていることだ」と、17世紀イギリスの聖職者、トーマス・フラーは言ったそうだが、両目でしげしげ見たら結婚できない。結婚してから、相手との相違点、欠点も認めて、できれば許せるようになるしかない。私のように。いや、間違えた、「奥さんのように」でした。



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