日本人のコロナ患者の死亡率が欧米に比べ何故低いか、今頃になってやっと具体的なデータに基づく報告書が公表された。コロナ対策が何だか上手く行ってると「詳細なデータがない」のに世界的に評価されていたが、やっとその根拠になるデータが半年遅れで出てきた。
新聞報道によると国立国際医療研究センターは国内の医療施設約230のコロナ感染入院患者2638人を分析し、死亡率が欧米の1/3にとどまっている。日本人の死亡率は7.5%に対し、欧米中国は20%を超えている。その理由として、日本人は糖尿病などの基礎疾患(持病)の割合が少ない可能性があるという。欧米の医療崩壊云々は触れてなかった。
例えば、基礎疾患として糖尿病を持つ患者は17%と英米の半分程度。肥満の患者は6%と米国の6分の1以下だという。また、諸外国に比べ症状のない人が多いという。性別でみると、英国などと同様に日本人も男性が重症化しやすいことも明らかになったという。
これとは別に5日付の日本経済新聞は、「足元の感染者の約6割は20~30代の若年層だ。重症化リスクが高い60代以上の高齢者は第1波が31.1%いたのに対し、現在は11.6%だ。重症者の割合は5月7日の5.1%から7月29日には1.1%に下がった」と報じた。重症化率が大幅に減っているのだ。
私はこれらの報道を見て、「国辱的な赤っ恥」だと思った。WHOとかIブレマー氏などから日本のコロナ対策は高い評価を得ている。しかし、テレビ等の報道では世界的に大失敗した米国や英国が発表する海外のデータを引用して日本のコロナ対策を評価し報じる。
テレビは最初は指数関数的に急増する感染者数(欧米の大失敗例)を重ね合わせて、日本の感染対策を論じ国民を煽りに煽った。私はマスコミの余りにも低い知的レベルの論理に失望したが、国民を脅かし準備させる副次効果はあった。今回の発表は、日本にはデータがなかったと言い訳になった。
確かにこの報道を見て、日本のこの方面の遅れに深く失望した。実際のところ問題はコロナ感染医療対策に限らない。ほぼ全ての領域にかかわる「日本の病気」だ。保健所など関係者の頑張りは称賛するが、PCR検査の結果や追跡結果をファックス送信すると聞いて、私はのけぞった。
病院のオンライン検診が特別対応で法的に規制緩和された後も、導入した医療機関は全体の15%程度にとどまるという。マイナンバーに連動して導入される電子カルテも進む気配を感じられない。患者も医者も厚生省も皆で消極的に足を引っ張っているのが日本の現状だ。
総合すれば、これが今回の7月遅れのコロナ報告の大元の原因だ。国立国際医療研究センターの問題とは決めつけられない。だが、深刻な問題だ。データ無くして日本のコロナ対策は世界から正当な評価を受けられない。現に米国は渡航制限緩和の対象から日本を外すと今日報じられた。
私的には、新型コロナはワクチン等の薬が開発されいつか収まるが、この日本を覆う「IT音痴ウィルス」はどうなるか全く予断を許さない。「コロナ感染がガンガン進んで何万人死んでも、一方で冷静にデータ分析して全体像を正しく把握する」そんな日本人像は中々想像できない。■
新聞報道によると国立国際医療研究センターは国内の医療施設約230のコロナ感染入院患者2638人を分析し、死亡率が欧米の1/3にとどまっている。日本人の死亡率は7.5%に対し、欧米中国は20%を超えている。その理由として、日本人は糖尿病などの基礎疾患(持病)の割合が少ない可能性があるという。欧米の医療崩壊云々は触れてなかった。
例えば、基礎疾患として糖尿病を持つ患者は17%と英米の半分程度。肥満の患者は6%と米国の6分の1以下だという。また、諸外国に比べ症状のない人が多いという。性別でみると、英国などと同様に日本人も男性が重症化しやすいことも明らかになったという。
これとは別に5日付の日本経済新聞は、「足元の感染者の約6割は20~30代の若年層だ。重症化リスクが高い60代以上の高齢者は第1波が31.1%いたのに対し、現在は11.6%だ。重症者の割合は5月7日の5.1%から7月29日には1.1%に下がった」と報じた。重症化率が大幅に減っているのだ。
私はこれらの報道を見て、「国辱的な赤っ恥」だと思った。WHOとかIブレマー氏などから日本のコロナ対策は高い評価を得ている。しかし、テレビ等の報道では世界的に大失敗した米国や英国が発表する海外のデータを引用して日本のコロナ対策を評価し報じる。
テレビは最初は指数関数的に急増する感染者数(欧米の大失敗例)を重ね合わせて、日本の感染対策を論じ国民を煽りに煽った。私はマスコミの余りにも低い知的レベルの論理に失望したが、国民を脅かし準備させる副次効果はあった。今回の発表は、日本にはデータがなかったと言い訳になった。
確かにこの報道を見て、日本のこの方面の遅れに深く失望した。実際のところ問題はコロナ感染医療対策に限らない。ほぼ全ての領域にかかわる「日本の病気」だ。保健所など関係者の頑張りは称賛するが、PCR検査の結果や追跡結果をファックス送信すると聞いて、私はのけぞった。
病院のオンライン検診が特別対応で法的に規制緩和された後も、導入した医療機関は全体の15%程度にとどまるという。マイナンバーに連動して導入される電子カルテも進む気配を感じられない。患者も医者も厚生省も皆で消極的に足を引っ張っているのが日本の現状だ。
総合すれば、これが今回の7月遅れのコロナ報告の大元の原因だ。国立国際医療研究センターの問題とは決めつけられない。だが、深刻な問題だ。データ無くして日本のコロナ対策は世界から正当な評価を受けられない。現に米国は渡航制限緩和の対象から日本を外すと今日報じられた。
私的には、新型コロナはワクチン等の薬が開発されいつか収まるが、この日本を覆う「IT音痴ウィルス」はどうなるか全く予断を許さない。「コロナ感染がガンガン進んで何万人死んでも、一方で冷静にデータ分析して全体像を正しく把握する」そんな日本人像は中々想像できない。■