第37期竜王戦第3局(主催:読売新聞社、日本将棋連盟)第2日、佐々木勇気八段の封じ手は、やはり歩を取る手だった。まあそうであろう。
対して藤井聡太竜王は9筋に歩を垂らす。これも予想された手だが、この進行は佐々木八段の9筋の突き越しの利がなくなっている。
佐々木八段は馬を引き付け徹底抗戦。いずれにしても、戦いは7~9筋に絞られると見ていた。
だが、藤井竜王は4筋の歩を突く。▲6六の角は当然そちら側にも利いていたわけで、ほうぼうに活躍の場を与える藤井竜王らしい手だった。
そこからまた、戦いは7~8筋に移る。結果はともかく、攻めているほうが気分がいいのではなかろうか。
佐々木八段も懸命に守るが、藤井竜王の攻め駒がつねに残っている。その寸暇を割いて佐々木八段も反撃を試みるが、藤井竜王は当然受けない。
佐々木八段の8筋の角打ちにも飛車でむしり取り、返す刀で飛車の丸得に成功した。
そこでABEMA AIの評価を見ると、藤井竜王が70%以上になっている。藤井竜王の終盤は完璧だから、このあとは間違えないだろう。対して佐々木八段が仮にその後間違えなかったとしても、局面がフィナーレへ向かっている以上、その差が縮まることなく、藤井竜王が勝つに違いない。
あとは藤井竜王の寄せの構図を鑑賞するのみだが、藤井竜王は異筋に2枚の角を据えた。これが当然ながら的確な配置だったようで、佐々木八段は長考するが、もうダメなようだ。中盤で2時間以上も考慮時間に差があったのに、みるみる追いついてきた。この消費時間の関係も、いつもの通りである。
佐々木八段は銀を埋め、飛成の王手のあと、根元の桂を取った。が、ここでAIの形勢バーが「藤井99:1佐々木」になった。ということは、この局面で後手玉に即詰みがあるということだ。
それなら藤井竜王は必ず詰ます。果たして長くは待たせず、藤井竜王は角を切って王手をした。ここで佐々木八段が力なく投了した。
投了以下は馬を取る一手だが、▲8四飛と中空に打つ妙手があり、即詰みは免れない。
とはいえこの馬を取らず投了は中途半端で、ふつうは取ると思う。だが、▲8四飛を盤上に実現させるのは不愉快である。ここでの投了は、佐々木八段の矜持の表れでもあった。
佐々木八段、すぐに駒を戻し感想戦に入った。▲8四飛は盤上にないにしても、この投了図を早く崩したい、という思いがあったのかもしれない。
さて注目の第3局も、終わってみれば藤井竜王の快勝である。相変わらず、恐ろしい強さだった。ちょっと意味不明の玉の繰り替えも、秀逸な構想となった。まさに名人に定跡なし。ヘボの違和感など、ホントに違和感でしかなかったのであった。
第4局はだいぶとんで、11月15日、16日。佐々木八段の巻き返しに期待である。
対して藤井聡太竜王は9筋に歩を垂らす。これも予想された手だが、この進行は佐々木八段の9筋の突き越しの利がなくなっている。
佐々木八段は馬を引き付け徹底抗戦。いずれにしても、戦いは7~9筋に絞られると見ていた。
だが、藤井竜王は4筋の歩を突く。▲6六の角は当然そちら側にも利いていたわけで、ほうぼうに活躍の場を与える藤井竜王らしい手だった。
そこからまた、戦いは7~8筋に移る。結果はともかく、攻めているほうが気分がいいのではなかろうか。
佐々木八段も懸命に守るが、藤井竜王の攻め駒がつねに残っている。その寸暇を割いて佐々木八段も反撃を試みるが、藤井竜王は当然受けない。
佐々木八段の8筋の角打ちにも飛車でむしり取り、返す刀で飛車の丸得に成功した。
そこでABEMA AIの評価を見ると、藤井竜王が70%以上になっている。藤井竜王の終盤は完璧だから、このあとは間違えないだろう。対して佐々木八段が仮にその後間違えなかったとしても、局面がフィナーレへ向かっている以上、その差が縮まることなく、藤井竜王が勝つに違いない。
あとは藤井竜王の寄せの構図を鑑賞するのみだが、藤井竜王は異筋に2枚の角を据えた。これが当然ながら的確な配置だったようで、佐々木八段は長考するが、もうダメなようだ。中盤で2時間以上も考慮時間に差があったのに、みるみる追いついてきた。この消費時間の関係も、いつもの通りである。
佐々木八段は銀を埋め、飛成の王手のあと、根元の桂を取った。が、ここでAIの形勢バーが「藤井99:1佐々木」になった。ということは、この局面で後手玉に即詰みがあるということだ。
それなら藤井竜王は必ず詰ます。果たして長くは待たせず、藤井竜王は角を切って王手をした。ここで佐々木八段が力なく投了した。
投了以下は馬を取る一手だが、▲8四飛と中空に打つ妙手があり、即詰みは免れない。
とはいえこの馬を取らず投了は中途半端で、ふつうは取ると思う。だが、▲8四飛を盤上に実現させるのは不愉快である。ここでの投了は、佐々木八段の矜持の表れでもあった。
佐々木八段、すぐに駒を戻し感想戦に入った。▲8四飛は盤上にないにしても、この投了図を早く崩したい、という思いがあったのかもしれない。
さて注目の第3局も、終わってみれば藤井竜王の快勝である。相変わらず、恐ろしい強さだった。ちょっと意味不明の玉の繰り替えも、秀逸な構想となった。まさに名人に定跡なし。ヘボの違和感など、ホントに違和感でしかなかったのであった。
第4局はだいぶとんで、11月15日、16日。佐々木八段の巻き返しに期待である。