一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

社団戦2024最終戦(1)

2024-10-02 23:35:24 | 社団戦
さあ、9月29日の社団戦最終戦である。当日は私もいろいろ用事はあったのだが、社団戦の参加を最優先させた。数年前なら考えられなかったことだが、こうでもしないと他者との交わりがなくなってしまう。
会場はもちろん、産業貿易センター台東館である。例によって都バスを使い、二天門前で降りた。対局場は、いつもは4階と5階だが、今回は6階と7階である。さすがにエレベーターを使いたいが、人が多すぎるので階段を使った。
7階に着き、仲間を探す。徐々に見つかって、最終的にはいつもと同じメンバーになった。すると山本氏が、知己を紹介してくれた。好感度の高い青年である。山本氏とは2回指して青年の2勝だったそうで、頼もしい。棋力を聞くと、「三段」とのことだった。三段といってもピンキリなのでアテにならないが、なんとなく強そうだ。四将で指してもらおうか。
1回戦の相手は、「天野チルドレン3」。ここまでチーム12戦全勝で、個人67勝。1回平均5.6勝という凄まじさで、さすがに今回は負けを覚悟した。
先発メンバーは、大将・中山氏。以下、一公、山野氏、助っ人・Tayama氏、山本氏、阿部氏、木村晋介会長である。Akuさんは抜け番、Kan氏は事務局の仕事で対局できなかった。また星野氏はアカシヤ書店の営業専念で、今回は不参加となった。
さて相手を見ると、四将に強豪が座っている。あの人がどうして四将に座っているのか分からぬが、それだけ天チルのレヴェルが高いということだ。
私の向かいは、小学生の、それも低学年。常勝チームの副将を務めるとは、どれだけ強いのだろう。
最終日なので、対局前に挨拶があった。浦野真彦八段は、還暦記念に扇子を作ったそうだ。
LPSAは今回も出店しており、大庭美夏女流初段が一言述べた。
あとは、将棋と関係ない衣服の会社が出店した。質のいいTシャツなどを販売するらしい。
最後は社団戦スタッフから。今年も一部で入れ替え戦があるが、来年は6部が2チームになる予定なので、その周辺の部は入れ替え戦がないという。我が将棋ペンクラブは現在16チーム中6位だが、4位か5位に上がれば、6部昇級の可能性があるということか。
中山氏が振り、奇数先手となった。私は後手で、対局開始。小学生君、▲2六歩。ここで私は早くも長考してしまった。△8四歩とし、対ひねり飛車になるなら指してもいいが、相掛かりや角換わり、横歩取りの将棋になると自信がない。相手はどの最新定跡もインプットしていると思ったからだ。
私はとりあえず△3四歩。すると▲2五歩を決められた。以下△3三角▲7六歩。ここで△2二銀は▲3三角成以下相手の思うツボなので、気合が悪いが△4四歩とした。
▲6八玉に△8四歩(第1図)。相手が二段玉になったこともあるが、強引に矢倉にもっていく腹だった。

私は△4三金を早めに決め、角を4二に引き、矢倉を構築する。問題は小学生君に速攻で来られることだが、意外にも小学生君もガッチリ矢倉に組み、昭和の将棋になった。これなら私の土俵ではないか? いけるんじゃないか?
私は△9四歩(第2図)。この応手に注目した。

第2図以下の指し手。▲9六歩△8四銀▲4六銀△9五歩▲同歩△同銀▲9七歩△4五歩▲3七銀△2二玉▲2六銀(第3図)

小学生君はさして考えず、▲9六歩と受けた。しかしこれが、一局の勝敗を左右しそうな問題の手だった。私はすかさず△8四銀と棒銀に出て、これは私の作戦勝ちである。
△9五歩▲同歩△同銀に、▲同香は△同香▲9七歩△9三香▲9八銀△9二飛で、後手有利。
よって小学生君は▲9七歩と受けたが、これは私が一本取った。
私は△4五歩。これが1歩を手にした効果で、▲同銀は△4四歩で銀が死ぬ。よって小学生君は▲3七銀と引いたが、この撤退は痛かった。
▲2六銀に次の手は。

第3図以下の指し手。△7三桂▲4六歩△8六歩▲同銀△同銀▲同角△同角▲同歩△4六歩▲4八歩△8五歩▲同歩△8六歩▲7七桂(第4図)

第3図では△8六歩としたいが、以下角銀総交換になるものの、最後に△8二飛と引いて一息つくのが気に食わない。そこで△7三桂と一手ためたが、これが我ながら冷静だった。
▲4六歩に、いよいよ△8六歩。▲同歩は△8五歩▲同歩△同桂があるので小学生君は▲同銀。△同銀にも▲同角ときたが、銀はともかく、角のほうはありがたかった。△同角▲同歩で、まだ私の手番だったからである。
私は△4六歩と貴重な1歩をいただく。これは先手が精神的に堪えるはずだ。小学生君は▲4八歩と受けたが、これは相当つらい手。だから受けない手もあったと思うのだが、そうもいかなかったか。
そして私はやはり△8五歩。私は、本に書かれている手しか指していない。この継ぎ歩ができるのも、9筋で得た1歩があったからだ。これはイケるのではないかと思った。

第4図以下の指し手。△6九角▲7九玉△3六角成▲3七銀△5八馬▲6八金寄△4九馬▲7八玉△8五桂▲8八歩△9七桂成▲同香△同香成▲7九桂(第5図)

ほかの将棋を見ると、中山氏は居飛車対振り飛車の、難しい局面。山野氏は対振り飛車にいつもの穴熊を採用しているが、▲8八銀とハッチを閉める前に速攻され、懸命に受けている最中だ。
私は△6九角。矢倉攻略の常套手だ。▲7九玉に、私は△3六角成と1歩を取りつつ逃げる。ここで得る1歩も大きい。
△4九馬に小学生君は▲7八玉と態勢を整えたが、ここで△2七銀は20年前の手。飛車には目もくれず、△8五桂と捌いた。

第5図以下の指し手。△8三香▲7三角△8八成香(投了図)
まで、一公の勝ち。

第5図では△8八成香▲同玉△8七銀▲同桂△同歩成▲7九玉△6七馬で勝ちだった。本局は形勢が離れていたからいいが、一手争いのときに緩むと勝敗に関わる。自戒したい。
本譜△8八成香で、小学生君、投了。感想戦では、第2図の▲9六歩に、疑問手を付けさせていただいた。端歩に挨拶せず、どんどん攻めていけばよかったと思う。

ともあれ私は幸先いい1勝。とりあえずホッとした。
(つづく)
コメント (4)
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