一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

増田裕司七段の順位戦復帰の目を考える(1)

2024-10-28 00:03:51 | 目を考える
先日、日本将棋連盟の棋戦表を見ていたら、第2回達人戦で、増田裕司七段が予選を突破していたので、驚いた。
以前もチラッと触れたことがあるが、私の顔は増田七段によく似ている。全体的な雰囲気も含め、そっくりといってよい。ある年に将棋会館で行われた将棋ペンクラブ関東交流会に、増田七段がふらっと現れた。
私は増田七段に、「私、先生に似ていると思うんですけど、どうでしょうか」と問うた。
すると増田七段も即座に「うん」と答えた。私はうれしくなって、(女流)棋士とツーショットで収まる趣味はないのだが、このときばかりは頼み込んで、撮らせてもらった。私の頭が薄く肥満気味なのがアレだったが、ふたり並ぶとそっくりだった。
さてその増田七段の今年度の成績を確かめたら、かくのごとくだった。

5月16日 第96期棋聖戦一次予選1回戦 ●長岡裕也六段
6月4日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦1回戦 ○神崎健二八段
6月26日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦2回戦 ○長岡裕也六段
7月2日 第18回朝日杯一次予選1回戦 ●長沼洋八段
7月17日 第10期叡王戦七段戦1回戦 ●矢倉規広七段
7月29日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦3回戦 ○浦野真彦八段
8月13日 第66期王位戦予選1回戦 ○齊藤裕也四段
9月5日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦4回戦 ○黒田尭之五段
9月12日 第73期王座戦 一次予選1回戦  ○島本亮六段
9月19日 第37期竜王戦6組昇級者決定戦5回戦 ●山本博志五段
9月25日 第2回達人戦予選1回戦 ○畠山成幸八段
9月25日 第2回達人戦予選2回戦 ○阿部隆九段
10月3日 第66期王位戦予選2回戦 ●狩山幹生四段
10月16日 第73期王座戦一次予選2回戦 ○冨田誠也五段
10月22日 第2回達人戦予選3回戦 ○今泉健司五段
10月22日 第2回達人戦予選決勝 ○藤原直哉七段

なんと、11勝5敗! このうち、若手の黒田五段、冨田五段、齊藤四段を倒した星が光る。そして達人戦が公式戦だったのが絶妙で、フリークラス脱出の目が出ていた。
その条件は例によって、まずは「いい所取り30局以上で勝率.650以上」。これは最初の5局を端折れるので「9勝2敗」となり、残りを「11勝8敗」でよい。
また、今回は年度初めからよく勝っているので、「参加棋戦数+8勝で、年度勝率.600以上」でもよい。
増田七段の場合、7大タイトルに朝日杯、NHK杯、銀河戦、達人戦に参加しているので、「19勝12敗」がクリアの一例となる。その場合、残りを「8勝7敗」でよい。
ところが改めて調べると、衝撃的事実があった。増田七段は、今年度がフリークラス10年目なのだ!
たしか熊坂学六段のときに議論になったが、フリークラスは11年目の勝敗は、復帰規定にカウントされない。年度末の戦績までが対象である。となると、「いい所取り30局」を指している猶予はないのだ。
じゃあ前年度の成績を加えればいいと思うが、前年度は終わり8局が1勝7敗だったので、全然ダメだ。
よって、増田七段順位戦復帰の条件は、「年度19勝12敗」。これだけとなった。ただ、残りを「8勝7敗」は、現在の増田七段の調子なら十分可能だ。
残り棋戦は、

第33期銀河戦
第73期王座戦
第2回達人戦
第38期竜王戦(2局)
第75期王将戦
第51期棋王戦
第75回NHK杯

となる。このうち銀河戦は9月に予選が行われているが、結果はまだ公表されていない。2勝していたらずいぶん楽になる。
とにかくこれからは一局でも多く勝って、対局を繋げていくしかない。
しかし熊坂六段といい中尾敏之六段といい、どうしてフリークラス10年目で勝ちだす棋士が出てくるのだろう。
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