日本を、外国の武力攻撃から守るための防衛強化や
防衛システムを構築したい政府の考えもわかるし
戦争に巻き込まれたり、海外派兵の危惧を感じて
反対運動する人たちの気持ちもわかる
それぞれの表に立つ純粋な活動者
裏に隠れて、それを利用する者たち
なかなか表か裏かの二者択一という簡単な問題では無い
私の、無防備な肉親も先の戦争で無残な殺され方をされた
これを防衛力が足りなかったから防衛強化を考えるか
こんな無残な戦争をしてはいけないと考えるのか
そういうことだ
ところで45年くらい前にも安保反対の闘争が
今より遙かに大規模に全国で行われた
大学生が活動の中心であった
私が新潟市で修業している時代と重なる
デモ参加者は私と同じ年代 東大入試が中止になった時だ
新潟大学生に友達がいて、彼の下宿に時々遊びに行った
彼はノンポリであったが、同じ安アパートに住む新大生は
ちゃんちゃんこに鉢巻き姿で、こたつに入ってガリ版でアジビラを
作っていた
私の車(会社の営業車)が駐車中に、デモ隊と機動隊のもみ合い
の真ん中に取り残されてしまったこともあった
夜になって、デモの声が聞こえてくると野次馬になって見に行ったりした
県庁前に武装した機動隊が盾を立ててずらりと並んでいる
学生デモ隊が機動隊に石を投げる 機動隊は微動だもしない
しかし隊長の号令と共に警棒を振り上げて一気にデモ隊に突入
デモ隊は蜘蛛の子を散らすように一斉に逃げ出す
それが我々野次馬の方に逃げてくるものだから
われわれも巻き込まれては迷惑と逃げ出す
デモの中では大通り一杯に手をつないで歩くフランスデモは
イベントっぽくて優雅に見えた
機動隊にも知り合いがいて、たまたま会った時に彼は言った
「親のすねをかじって大学に来ているくせに勉強しないで
こんな事をしやがって、あいつ等を殴るときは気分が晴れる」
彼は農家の次男坊で高校を卒業して警官になったのだ
あの頃の大学生たちは、バブルを支えた企業戦士に変身した
彼らは今、爺さん婆さんになってテレビニュースの前で
何を考えているだろうか