おはようございます。
アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
2月最後の日の昨日(2月29日)は、もっぱらインプットに励んだ日でした。
また、 株式会社 タナベ経営 の経営者を対象とするビジネス情報誌『FCCレビュー』に連載している「経営者に贈るアドラー心理学の知恵」(5月号、第7回目)の原稿を書き終えました。
本日、推敲を重ねて明日先方に送るつもりです。
さて、2月24日の日本経済新聞の『こころの健康学』に大野裕先生が「高齢者のこころの健康」に関して「エイジングパラドックス(加齢の逆説)」ということを書いていらっしゃいました。
「エイジングパラドックス(加齢の逆説)」というのは、高齢になって様々な喪失体験をするにもかかわらず、人生に対する満足感やポジティブ感情が高いことを表す言葉。
年をとれば誰でも肉体面の不調が多くなる。
親しい人が病気になったり亡くなったりするなどして、人とのつながりも少なくなってくる。
誰でもこころが弱くなって落ち込みがちになるのではないかと考えるが、実際はそうではない。
これは超高齢者の人たちでも同じようだ。
「短期的にはネガティブ、長期的にはポジティブ」ということがあるようです。
ただ私は、このことは心理面だけでなく家庭的自立、社会的自立 、経済的自立の3つがあってこそ、だと思います。
私のカミさんの母親(いわゆる義母)は、15年前に夫を、12年前に長女を亡くしましたが、最近でこそ要介護になりましたが、俳句、絵手紙、ご近所の友人との交友を楽しむ、間もなく88歳になる人です。
家事は一人でこなします(家庭的自立)、友人もいます(社会的自立)、夫の残した財産と年金で暮らしています(経済的自立)。
カミさんの友人のお父さんのOさんは、90歳を過ぎた独居男性ですが、家事を自分でこなし、ご近所の友人たち(男女を問わず)の支えもあり、今でもボウリングを楽しんでいます。
その一部の裏付けともなる記事をインターネットで見つけました。
gendai.ismedia2018.10.25で小谷 みどりさん(第一生命経済研究所主席研究員)がこんなことを書いていらっしゃいました。
妻を亡くした男性は、余命が短くなる可能性が30%も高かったー「自立」が豊かな終活につながる
■男性はより「死別」の影響を受けやすい
実は、男女で比較すると、配偶者の死別は、女性よりも男性の方が影響を受けやすいことが明らかになっています。
アメリカのロチェスター工科大学では1910年から1930年生まれの既婚者を分析し、配偶者との死別が寿命に与える影響を研究しています。
2012年に発表された研究結果によると、妻を亡くした男性の余命は、同年齢の平均余命よりも短くなる可能性が30%も高かったそうです。
しかし、夫を亡くした女性にはこうした傾向はみられなかったといいます。
その理由の一つは、配偶者に先立たれたあと、自活できるかどうかという問題です。
身の回りのことや家事が自分でできるかということです。
最近の新型コロナウイルス騒動のように、世の中何が起こるが予想がつきません。
突然の出来事に備えて家庭的・社会的・経済的な自立がより一層必要な時代に入っているようです。
シルバー世代にとって「備えあれば憂いなし」とは、このことなのでしょうか?
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