○陝西省考古研究所(西安)
今夏の中国旅行は、西安6泊+天津1泊+北京3泊の11日間だった。メンバーは知った者どうしで、「中国は初めて」から10数回目のリピーターまで、総勢6人。スケジュールは、例によって「団長」役の友人が、オーダーメイドで手配してくれた。
8月28日、西安。この日は、午前中に陝西省考古研究所を訪問、午後は3:00から陝西省歴史博物館の壁画保存庫を見学の予定である。ただの旅行者が、ホントにこんなところを見られるの!?と半信半疑だったが、「団長」の話では、パッケージツアーでも、ときどきオプションに組み入れられているらしい。
約束の朝9:00、大雁塔に程近い裏通りにある、陝西省考古研究所に到着。現地ガイドの李さん(30代くらいの女性)も、滅多に来ない場所なので、ちょっと緊張気味である。やがて、李さんの会社の「社長」という男性が現れ、彼の紹介で、今日の案内役、研究員の段さんに引き合わせてもらう(→たぶん、この人)。あとで聞いた話では、社長と段さんは、学生時代の同級生なのだそうだ。
案内されたのは、研究所の2階にある文物展示室。ガイドの李さんからは、「展示品は多くないので、がっかりすると思いますよ」と忠告されていた。なるほど、数は多くないが、大学なら「小会議室」か「中会議室」ほどの細長い部屋のガラスケースに、各時代を網羅する名品が、ぎっしり並んでいる。
大きな文物は、無造作にガラスケースの外に放置されている。接近禁止を示す柵もラインもない。無作法な客人なら、手を伸ばして触れることもできてしまう。しかし、もちろん本物なのだ。ひとつは石の「こざね」を編み上げた鎧(石鎧甲)。兵馬俑もあったかも知れない。しかし、私の目を釘付けにしたのは、長い袖を広げ、頭を低くして、赤い絨毯(たぶん)の上に腹ばう文官俑である。「拝跪文官俑」だ!
研究員の段さんが「これは日本の新シルクロード展に行きました」と説明してくれた。そうだ、そのとおり。私は今回の中国旅行で、「これは日本で見た」という記憶のあるものに、ずいぶん出会った。帰国後、自分のブログを検索して、記憶を確かめるのが楽しかった。便利だなあ。拝跪文官俑のこともちゃんと書いている。オレンジ色がかった明るい土の色も記憶どおり。
陝西省考古研究所には、現在、江戸博物で開催中の特別展『始皇帝と彩色兵馬俑展』で、初めて本格的に日本に紹介された漢陽陵の文物(裸体俑、動物俑)も、多数、展示されていた。我々が旅行プランを練っていたときは、まだ漢陽陵の存在は分かっていなかったので、今回の訪問先からは落ちてしまった。段さんは、「漢陽陵には行かないのか。あそこは、いちばん行ってほしいのに」と残念がっていた。
説明つきの展示室ツアーは1時間くらいで終わった。大満足である。それにしても、ほんとに一般ツアーでこんなところに入れるのか?と思ったら、ちゃんとあった。中国考古ファンには、自信をもっておすすめしたい。
■読売旅行:西安の宴(うたげ)4日間
http://www.yomiuri-ryokou.co.jp/kaigai/detail.asp?id=1196
※後日、団長から、「漢陽陵の存在は知っていたけれど、新しい博物館ができたことは知らなかったので外した」との訂正申し入れあり(9/8)。
今夏の中国旅行は、西安6泊+天津1泊+北京3泊の11日間だった。メンバーは知った者どうしで、「中国は初めて」から10数回目のリピーターまで、総勢6人。スケジュールは、例によって「団長」役の友人が、オーダーメイドで手配してくれた。
8月28日、西安。この日は、午前中に陝西省考古研究所を訪問、午後は3:00から陝西省歴史博物館の壁画保存庫を見学の予定である。ただの旅行者が、ホントにこんなところを見られるの!?と半信半疑だったが、「団長」の話では、パッケージツアーでも、ときどきオプションに組み入れられているらしい。
約束の朝9:00、大雁塔に程近い裏通りにある、陝西省考古研究所に到着。現地ガイドの李さん(30代くらいの女性)も、滅多に来ない場所なので、ちょっと緊張気味である。やがて、李さんの会社の「社長」という男性が現れ、彼の紹介で、今日の案内役、研究員の段さんに引き合わせてもらう(→たぶん、この人)。あとで聞いた話では、社長と段さんは、学生時代の同級生なのだそうだ。
案内されたのは、研究所の2階にある文物展示室。ガイドの李さんからは、「展示品は多くないので、がっかりすると思いますよ」と忠告されていた。なるほど、数は多くないが、大学なら「小会議室」か「中会議室」ほどの細長い部屋のガラスケースに、各時代を網羅する名品が、ぎっしり並んでいる。
大きな文物は、無造作にガラスケースの外に放置されている。接近禁止を示す柵もラインもない。無作法な客人なら、手を伸ばして触れることもできてしまう。しかし、もちろん本物なのだ。ひとつは石の「こざね」を編み上げた鎧(石鎧甲)。兵馬俑もあったかも知れない。しかし、私の目を釘付けにしたのは、長い袖を広げ、頭を低くして、赤い絨毯(たぶん)の上に腹ばう文官俑である。「拝跪文官俑」だ!
研究員の段さんが「これは日本の新シルクロード展に行きました」と説明してくれた。そうだ、そのとおり。私は今回の中国旅行で、「これは日本で見た」という記憶のあるものに、ずいぶん出会った。帰国後、自分のブログを検索して、記憶を確かめるのが楽しかった。便利だなあ。拝跪文官俑のこともちゃんと書いている。オレンジ色がかった明るい土の色も記憶どおり。
陝西省考古研究所には、現在、江戸博物で開催中の特別展『始皇帝と彩色兵馬俑展』で、初めて本格的に日本に紹介された漢陽陵の文物(裸体俑、動物俑)も、多数、展示されていた。我々が旅行プランを練っていたときは、まだ漢陽陵の存在は分かっていなかったので、今回の訪問先からは落ちてしまった。段さんは、「漢陽陵には行かないのか。あそこは、いちばん行ってほしいのに」と残念がっていた。
説明つきの展示室ツアーは1時間くらいで終わった。大満足である。それにしても、ほんとに一般ツアーでこんなところに入れるのか?と思ったら、ちゃんとあった。中国考古ファンには、自信をもっておすすめしたい。
■読売旅行:西安の宴(うたげ)4日間
http://www.yomiuri-ryokou.co.jp/kaigai/detail.asp?id=1196
※後日、団長から、「漢陽陵の存在は知っていたけれど、新しい博物館ができたことは知らなかったので外した」との訂正申し入れあり(9/8)。