見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

プロからアマチュアまで/紀伊国屋書店

2006-09-15 22:04:15 | 街の本屋さん
○紀伊国屋書店・新宿南店

http://www.kinokuniya.co.jp/

 しばらく海外に出ていると、留守の間に大きな事件が起こっていないかどうか、気になる。それと同様、私は、何か掘り出し物の新刊が出ていないかも気になる。

 中国旅行から帰ってきた翌日には、まず、新宿ルミネ5階のBook 1st(ブック・ファースト)をのぞいた。ざっと新刊書の棚を眺めて、めぼしい収穫がないことを確認する。ここは足の便がいいので、仕事帰りや買い物途中に、よく利用するが、品揃えには、あまり満足していない。そこで、先週末は、新宿南口のサザンテラスにある紀伊国屋書店(新宿南店)に出かけた。

 紀伊国屋とは、つきあいが長い。悪くない書店だと思う。取り立てて「ここが好き」というポイントもないが、嫌味がない。読書のプロからアマチュアまで満足させる、懐の広い書店である。

 新宿南店は、売り場面積の広さもさることながら、平積みの棚が広いので、新刊チェックには最適である。よそでは平積みの選から漏れる、もしくはすぐに撤退させられそうなタイトルが、堂々と平積みされているのが嬉しい。いつぞや『日本主義的教養の時代』(柏書房 2006)をすばやく発見したのも、ここだった。

 新宿東口の本店は、古い店舗のせいか、ちょっとゴミゴミしていて、どこに何があるのか、分かりにくい。もっとも、その「分かりにくさ」が、リピーターには「私には分かる」満足感を与えてくれるのだ。初心者には少し敷居が高いかもしれないが、老舗の書店らしい雰囲気を失わないでほしいと思う。

 むかし読んだ佐野眞一さんの『だれが「本」を殺すのか 』(プレジデント社 2001)に、紀伊国屋書店の会長・松原治氏のロング・インタビューが載っていた。「本が売れない」時代を迎えて、出版流通関係者のほとんどが悲観的な話しかしない中で、松原氏だけが、際立って自信にあふれていたのが印象的だった。ふーん。この人って満鉄調査部出身で、帰還兵なのか。詳しい自伝も、いつか読んでみたい。

 紀伊国屋書店のサイトで見つけた、下記のイベントも注目。

■第49回新宿セミナー:松岡正剛『千夜千冊』刊行記念トークライブ
http://www.kinokuniya.co.jp/01f/event/shinjukuseminar.htm#seminar_49
コメント
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