○天台宗開宗1200年記念 湖東三山 秘仏本尊ご開帳
http://www.biwako-visitors.jp/oshirase/detail1172.html
例によって突発的な決断で、週末、関西に来てしまった。初日の目的地は滋賀県である。昨年の湖南三山、一昨年の櫟野寺に続き、またまた大好きな滋賀県に来てしまった。この秋、湖東三山(西明寺・金剛輪寺・百済寺)では、「史上初・秘仏本尊同時ご開帳」が始まっているのだ。秘仏ファンとして、どうしてこれを見逃すことができよう。
湖東三山をまわるのは初めてではない。そこで、前回とは趣向を変えて、百済寺→金剛輪寺→西明寺の順でまわることにした。近江鉄道の八日市駅から路線バスに乗り、40分ほどで(この間、私以外の乗客は無し)百済寺(ひゃくさいじ)に到着した。
紅葉シーズンを外れているせいか、境内は思ったほど人が多くない。それでも本堂に入ると、ご本尊の前に大勢の参拝客が群れていて、「3人ずつお進みください」と誘導されている。正面を外して、斜めからゆっくり眺めることにする。かなり大きな仏像で、金箔がよく残っているので、暗い中でも見やすい。十一面観音である。
どこにも写真がないそうだから、なるべく詳しく描写しておこう。右手はだらりと下げ、左手に水瓶(ちょっと大きすぎ)を持つ。胸は繊細な装飾で飾られ、額から頬の両脇に垂れる髪飾りもきれい。でも、胸の厚みや肩幅、手の長さに対して、少し顔が小さすぎる。丸顔で、あごも小さく、遠目には、眉を寄せて顔をしかめているようだ。頭部だけ後補なのかも知れない。頭上の十一面は整った顔立ちである。
今回は55年ぶりのご開帳だそうだが、「私は小学生だったけど覚えてますよ」と話している地元のおじいちゃんもいた。公開のあと、数年かけて学術調査を行うとのこと。「さあ、何が出てきますか」というお寺の方も楽しそうだった。
続いて、金剛輪寺。ここも正面が混んでいたので、脇から覗こうと思ったら、何も見えない。金剛輪寺のご本尊は小さいのである。大きな厨子の薄暗がりに控えめにお立ちになった姿は、恥ずかしがりの少女のようだ。蓮の蕾を持った聖観音である。小さな目鼻で表された表情はおぼつかなく、動きも少ない。それでも、かすかに腰をひねっているように見える。このご本尊は、彫りすすめようとすると血が流れたので、そこで止めたという伝承がある。ノミの跡を残した粗彫りである。古体なありさまが慕わしくて、いちばん心惹かれた。
最後が西明寺。ご本尊は薬師如来で、右手を上げ、下ろした左手に薬壺を載せている。ちょっと太りじしだが端正なお姿である。赤みがかった木肌で、螺髪や衣のひだもはっきりしている。しかし、お厨子の前面には、錦の幔幕が下りていて、なかなか全身が見えない。残念だなあ、と思ったが、ふと隣を見たら、写真が貼ってあった。ご開帳期間に限り、ご本尊の入った仏像写真セットを売っているのだそうだ。ふくよかな頬、光背の彫刻など、細部は写真で確認できるのでお見逃しなく。
特別運行のシャトルバスのおかげで、効率よく三山をまわることができ、まだ少し時間があったので、多賀大社にも寄って帰った。写真は、遅い昼ごはんとなった多賀うどん。

http://www.biwako-visitors.jp/oshirase/detail1172.html
例によって突発的な決断で、週末、関西に来てしまった。初日の目的地は滋賀県である。昨年の湖南三山、一昨年の櫟野寺に続き、またまた大好きな滋賀県に来てしまった。この秋、湖東三山(西明寺・金剛輪寺・百済寺)では、「史上初・秘仏本尊同時ご開帳」が始まっているのだ。秘仏ファンとして、どうしてこれを見逃すことができよう。
湖東三山をまわるのは初めてではない。そこで、前回とは趣向を変えて、百済寺→金剛輪寺→西明寺の順でまわることにした。近江鉄道の八日市駅から路線バスに乗り、40分ほどで(この間、私以外の乗客は無し)百済寺(ひゃくさいじ)に到着した。
紅葉シーズンを外れているせいか、境内は思ったほど人が多くない。それでも本堂に入ると、ご本尊の前に大勢の参拝客が群れていて、「3人ずつお進みください」と誘導されている。正面を外して、斜めからゆっくり眺めることにする。かなり大きな仏像で、金箔がよく残っているので、暗い中でも見やすい。十一面観音である。
どこにも写真がないそうだから、なるべく詳しく描写しておこう。右手はだらりと下げ、左手に水瓶(ちょっと大きすぎ)を持つ。胸は繊細な装飾で飾られ、額から頬の両脇に垂れる髪飾りもきれい。でも、胸の厚みや肩幅、手の長さに対して、少し顔が小さすぎる。丸顔で、あごも小さく、遠目には、眉を寄せて顔をしかめているようだ。頭部だけ後補なのかも知れない。頭上の十一面は整った顔立ちである。
今回は55年ぶりのご開帳だそうだが、「私は小学生だったけど覚えてますよ」と話している地元のおじいちゃんもいた。公開のあと、数年かけて学術調査を行うとのこと。「さあ、何が出てきますか」というお寺の方も楽しそうだった。
続いて、金剛輪寺。ここも正面が混んでいたので、脇から覗こうと思ったら、何も見えない。金剛輪寺のご本尊は小さいのである。大きな厨子の薄暗がりに控えめにお立ちになった姿は、恥ずかしがりの少女のようだ。蓮の蕾を持った聖観音である。小さな目鼻で表された表情はおぼつかなく、動きも少ない。それでも、かすかに腰をひねっているように見える。このご本尊は、彫りすすめようとすると血が流れたので、そこで止めたという伝承がある。ノミの跡を残した粗彫りである。古体なありさまが慕わしくて、いちばん心惹かれた。
最後が西明寺。ご本尊は薬師如来で、右手を上げ、下ろした左手に薬壺を載せている。ちょっと太りじしだが端正なお姿である。赤みがかった木肌で、螺髪や衣のひだもはっきりしている。しかし、お厨子の前面には、錦の幔幕が下りていて、なかなか全身が見えない。残念だなあ、と思ったが、ふと隣を見たら、写真が貼ってあった。ご開帳期間に限り、ご本尊の入った仏像写真セットを売っているのだそうだ。ふくよかな頬、光背の彫刻など、細部は写真で確認できるのでお見逃しなく。
特別運行のシャトルバスのおかげで、効率よく三山をまわることができ、まだ少し時間があったので、多賀大社にも寄って帰った。写真は、遅い昼ごはんとなった多賀うどん。
