「“正直”と“政府”はひとつの文章に出てくるものではないんだよ」
「政府にひとりくらいは正直な人間はいないの?」というナラサン少年の問いかけへの父親の回答。
古き神の時代が終わりつつあり、新しい神の目覚めが近づく時代。その端境期に出現した邪悪なるヴラーなるものは、爬虫類とも昆虫ともつかない部下たちを続々と生み出し、世界を支配せんと動き始めていた。
4柱の古き神々は、ヴラーなるものから世界を守るべく……金塊を使って世界各地から戦士たちを呼び寄せた。傭兵軍団が、海賊が、狩人が、騎馬の民が、アマゾネスが、続々と集結し始める。
だが、彼らの背後から意外な敵が襲いかかろうと策謀し、また新しき神々の目覚めも既に始まっていたのだ……。
神々の最終戦争は金にあかせての代理戦争という、エディングス節ばりばりの新シリーズも3冊目。今回はどちらかというとインターミッション。前巻の続きでヴラーなるものの動向が描写され、新たな登場人物であるオマーゴら農夫が戦いに加わっていく過程が語られますが、それ以外は、目覚めつつ神々の思惑が語られたり、今までの物語をドラル国の軍人や海賊たちの視点から再話されます。
これが、このシリーズの特長かな。ベルガリアード物語などでも「この写本にはこう伝えられている、この伝説ではこう。でも本当は……」という構成だったけれど、今回はそれが作品全体に及んでいます。たぶん、単純に書き連ねるだけなら1/3くらいの分量になってしまう物語を「この司令官にはこういう過去があり、こういう姿勢の持ち主だけれど、彼の視点では今の神々と悪しきものとの戦いはこう写っている」「この海賊にはこういう過去があり……」という形に膨らませているのですね。
いわば、「ベルガリアード物語」「マロリオン物語」「魔術師ベルガラス」「女魔術師ポルガラ」を最初から1つの物語に取り込んでいるようなものです。この構成が中盤以後も続くのかな。こういう語り方が当初は回りくどい気もしたけれど、今はちょっと楽しみになりました。
【ドリーマーズ】【金塊】【昆虫人】【堕落】【軍人】
「政府にひとりくらいは正直な人間はいないの?」というナラサン少年の問いかけへの父親の回答。
古き神の時代が終わりつつあり、新しい神の目覚めが近づく時代。その端境期に出現した邪悪なるヴラーなるものは、爬虫類とも昆虫ともつかない部下たちを続々と生み出し、世界を支配せんと動き始めていた。
4柱の古き神々は、ヴラーなるものから世界を守るべく……金塊を使って世界各地から戦士たちを呼び寄せた。傭兵軍団が、海賊が、狩人が、騎馬の民が、アマゾネスが、続々と集結し始める。
だが、彼らの背後から意外な敵が襲いかかろうと策謀し、また新しき神々の目覚めも既に始まっていたのだ……。
神々の最終戦争は金にあかせての代理戦争という、エディングス節ばりばりの新シリーズも3冊目。今回はどちらかというとインターミッション。前巻の続きでヴラーなるものの動向が描写され、新たな登場人物であるオマーゴら農夫が戦いに加わっていく過程が語られますが、それ以外は、目覚めつつ神々の思惑が語られたり、今までの物語をドラル国の軍人や海賊たちの視点から再話されます。
これが、このシリーズの特長かな。ベルガリアード物語などでも「この写本にはこう伝えられている、この伝説ではこう。でも本当は……」という構成だったけれど、今回はそれが作品全体に及んでいます。たぶん、単純に書き連ねるだけなら1/3くらいの分量になってしまう物語を「この司令官にはこういう過去があり、こういう姿勢の持ち主だけれど、彼の視点では今の神々と悪しきものとの戦いはこう写っている」「この海賊にはこういう過去があり……」という形に膨らませているのですね。
いわば、「ベルガリアード物語」「マロリオン物語」「魔術師ベルガラス」「女魔術師ポルガラ」を最初から1つの物語に取り込んでいるようなものです。この構成が中盤以後も続くのかな。こういう語り方が当初は回りくどい気もしたけれど、今はちょっと楽しみになりました。
【ドリーマーズ】【金塊】【昆虫人】【堕落】【軍人】