付け焼き刃の覚え書き

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「冥王と獣のダンス」 上遠野浩平

2008-04-20 | 超能力・超人・サイボーグ
 宇宙に進出した人類が、謎の敵によって宇宙から叩き出され、地上に張りつけられて何百年。人類は超文明の大半を失い、かつてのテクノロジーの遺産である自動兵器工場から吐き出される武器を利用して拡張し続ける枢機軍と、ごく少数の超能力者を核とする奇跡軍とに別れて争い続けていた。
 無能指揮官の突出によって味方を失った枢機軍のトモル・アド臨時少尉は、死者と残骸ばかりの戦場で1人の少女と出会うのだが、彼女こそ敵の奇跡使いだった……。

 ろくに言葉も交わさないまま瞬時に敵のエースである少女に一目惚れした少年兵が、彼女と再会するために独立遊撃隊となって各地を転戦していく話。「そんなのありかよ!?」と自分としてはいちばん信じられないタイプの話ですね。相手も一目惚れ状態なので良かったけれど、そうでなかったら単なる危ない人だもの。これこそファンタジーだね。
 それでも主人公に対して反感を抱かないのは、目的は少女と再会することだけれど、そのために仲間に犠牲を強いらず、やるべきことはきちんとやっているから。脇を固める人物も面白く、リスキィ兄妹なんかどう動くか解らない魅力的で危険なキャラですね。でも、よく見たら、カバー袖のあらすじはリスキィ兄のモノローグじゃないですか……。

【冥王と獣のダンス】【上遠野浩平】【封じられた世界】【その先は言わないで!】【ボーイ・ミーツ・ガール】
コメント
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