付け焼き刃の覚え書き

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「はかなき世界に最期の唄を」 佐々原史緒

2013-08-14 | ホラー・伝奇・妖怪小説
「ナニゴトも銭と腕次第ですから」
 比良野仁希の言葉。

 麻里は祖母の房子が殺されたと信じている。しかし、密室で傷跡も毒の痕跡もなく死んでいたのだから、警察が『自然死』という発表をするのも当然だ。私立探偵に依頼してでも調べたいという麻里に、親しいクラスメイトはそれは探偵の仕事じゃないと指摘して、同じクラスの仁希がオカルトには詳しいはずだと教えてくれた。
 仁希は美人で成績優秀らしいが、授業が終わるとすぐに帰宅して友達つきあいするものはいない。最初はそんなオカルト話にはつきあえないとそっけなかった仁希だったが、「お礼はちゃんと払う」と言うと手のひらを返したように愛想が良くなって親戚の霊能者を紹介してくれるのだが……。

 佐々原史緒はラクロスものが面白かったので、他はどうかなと試してみたら、これもなかなか面白い話でした。
 死んだ祖母が殺されたかどうか調べるプロセスは、自分が大好きだったおばあちゃんが本当はどんな人だったのか突きつけられるプロセスでもあります。その中であらためて自分と祖母との関係を見つめ直す、インターネットやニコ動などがあたりまえになった時代のサスペンス・ミステリーでした。

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