付け焼き刃の覚え書き

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「空戦魔導士候補生の教官1」 諸星悠

2013-08-24 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「努力は人を裏切らねー。裏切るのはいつも人間の方だ」
 教官カナタ・エイジの言葉。

 突如として出現した魔甲蟲によって地上から駆逐された人類は、地上を逃れて天空に浮かぶ浮遊都市を建設、魔力を駆使する空戦魔導士ウィザードを養成することでかろうじて生き残りを図っていた。
 そして4世紀以上が経過した。
 落ちこぼればかりで模擬戦では連戦連敗のE601小隊に送り込まれた新教官は、エリートエースながら裏切り者と周囲から蔑まれている嫌われ者だった……。

 周囲からの評価が低い理由にも、それを解決する方法にも、結局しっくりこなかったので、メインキャラクターの4人のいずれにも共感できないまま読了。『E.G.コンバット』とか榊版『ガンパレード・マーチ』とか『暗殺教室』とか、ダメダメといわれていた連中が個性を活かしてチームとして再生する物語は大好物なんだけれど、独りよがりに自分が駄目な理由を指摘されても直す気がないというのは、スポーツ小説ならともかく戦争なので、他の人間を巻き込んで殺す気満々ということを意味するのだということに誰も思い至らないというのはなんだろう?
 魔導士の養成機関が学生の自治組織でありながら、学籍のまま実戦に投入されているという設定にも? 世界がキャラクターに甘い話でした。

【空戦魔導士候補生の教官】【諸星悠】【甘味みきひろ】【富士見ファンタジア文庫】
コメント (2)
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