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前世紀に発生し、瞬く間に世界中に広がった謎の生物「蟲」。人類文明は、それに適応して科学を発展させ、失われつつあった魔術を発掘し、世界を変革していった。
そして1840年フランス。
名門の寄宿学校の生徒にして蟲の研究者であるアンリ・ファーヴルは、荒野で巨大な蟲に刀1本で挑もうというサムライ・ボーイに出会った……。
面白いとは思うけれど、全般的に中途半端な感じ。女子校話にするなら入浴シーンとか「女だらけの中に男1人」の描写をあっさり流しすぎだし、そちらは単なる腰掛けというなら級長クロエの描写に力を入れすぎです。蟲の存在に適応した世界での昆虫学者の冒険としても、魔術がいまだ活躍するスチームパンク・ストーリーとしても、少女の園に潜り込むはめにおちいった少年の物語としても、あれやこれやを詰め込もうとしすぎたというのが読後感。むしろ、アンリ・ファーブルと蟲の話に絞った方が、スチームパンク風ナウシカみたいで面白かったかもしれませんし、
薩摩から来た侍の若者は、やたら主張が青臭く、土下座しまくるのとあいまって不愉快ではあったけれど、周囲からも青いうざいと叩かれていたので、そういうキャラなんだと納得してその後の成長を愉しめました。
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