
自分の両親はどんな怪しげな集団とでも手を組む可能性があると、ディミティ・プラムレイ=テインモットの言葉。
レディのためのスパイ養成学校で学ぶソフロニア・テミニック嬢は、試験で前代未聞の優秀な成績をとるが、クラスメイトたちとの関係は最悪に。
そんなとき、彼女たちの空中学園がいつもの荒れ地を離れ、あこがれの都ロンドンへ向かうというニュースが飛び込んできた。
同行することになった姉妹校の男子生徒のことも含め、そこに隠された計画を察知したソフロニアは……。
吸血鬼や人狼が人類と共存するスチームパンクなヴィクトリア朝イギリスを舞台にしていて、女子校では淑女教育と暗殺術とスパイを教え、男子校は邪悪な発明家を養成するのに懸命だという「英国パラソル奇譚」の姉妹編の2冊目。
原題とも内容ともかけ離れている邦題は、訳者だか編集者の苦し紛れという気がしないでもありませんが、内容は文句なし。スパイ学校の試験の話からどこかに潜伏しているらしいスパイの情報、エーテル飛行実験、男子校の生徒たちとの駆け引き、校内での勢力図の書き換えから吸血群の屋敷への潜入と、二転三転するストーリーに飽きる暇も無く最後まで一気に。小さいルフォーは小さい頃からルフォーだったんだねと苦笑い。
そして、なにかにつけて言及される料理がちょっと美味しそう。紅茶と洋ナシのパイとかハッシュドマトンとか、描写もろくにないのにメニューだけは朝食から夕食までこまめに列挙されるのが不思議です。
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