付け焼き刃の覚え書き

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「黒猫の刹那あるいは卒論指導」 森晶麿

2014-01-30 | 学園小説(ミステリ)
 美術の若き大学教授“黒猫”と、その付き人である“私”が遭遇する事件簿『黒猫の遊歩あるいは美学講義』の前日譚で、2人が共に学生であった時代の物語。
 話のメインが美学とポオの作品に関する文学講義というのはいつものとおり。

「腹を括るだけさ。人生も研究もね。どのみちをいくのか誰と結ばれるのか、何を研究するのか。覚悟を決めたら、来た道を振り返らない。ただ全力で向かっていく。ただし、できるだけシャープな尺度をもってね。それ抜きでは、何事も独りよがりだ」
 君は研究対象に愛される自信はあるかと問い詰める黒猫。

 恋愛関係があるだかないだか、同門の研究者でもある2人の関係が興味深いし、ポオ作品の分析が面白いのも変わらず。

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