高校２年生の花神一樹が食べたリンゴは、天界からこぼれ落ちてきた林檎の半分だった。それを彼に教えたのは、林檎を追って天界から降りてきた７人の天使の１人。天使は欠けてしまった残り半分の片割れを見つけて１つにして回収しないと、一樹は恋する心を失ったままというだけでなく、悪魔に狙われ続けると告げたのだが、それは案外と簡単に見つかった。
それはどうやら幼なじみの内気な美少女、雪姫の中にあるらしい。
あとは、林檎が身体のどこに隠れているか見つけ出し、口づけするだけなのだが……。
地上で活動するために猫と合体した猫耳天使と高校生が、急に積極的になってしまった少女相手に七転八倒する話。
主人公の言動が良い感じにバランスがとれているという感じ。目的のために手段を選ばないとはいわないけれど、手段にこだわって目的を見失うこともない……という意味で。具体的には、ちゃんと脱がせることができましたね。
「いやらしい目で見たいわけじゃない。純粋に知りたいことがあるだけなんだ。具体的には衣服の中身を知りたい」
「兄さんそれ、けっこうギリギリの発言だから。むしろアウトっぽい」
僕キャラの妹・双樹も良いキャラでした。
緩急のついたストーリーに、ポイントを押さえた良い感じのキャラを配してきれいにまとめていて、新人賞ながらなかなか手慣れた感じです。欲を言えば、あとひとつまみの外連味が欲しいかな。
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