付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ホーンテッド・キャンパス:3」 櫛木理宇

2014-08-20 | ホラー・伝奇・妖怪小説
「死びとは怖い。でもまともに生者と死びとがぶつかったら、ぜったいに死びとは勝てない。陰は陽にかなわない。それが世のことわりだ」
 巫女だった、寺岡の祖母のおしえ。

 春が来た。
 雪越大学も新歓シーズンで、各サークルは新入生の勧誘に大騒ぎ。でも、オカルト研は最低限の人数は確保していると、特に動く予定はないという。
 そこに八神森司が気になっている美少女、こよみの元同級生だという爽やかイケメン小山内が現れて、森司はついつい彼と親しくなってしまった上に、こよみとの仲をとりもつ方向に。
 ところが、その小山内がサークルの先輩が雪女に取り憑かれているらしいと相談を持ちかけてきた……。

 幽霊が「見えてしまう」体質の大学生が主人公でラブコメ風味の学園ホラー……かな。
 我が家では祖母と孫が本の貸し借りをしていて、これは孫からの推薦図書。それを親が中抜きして読んでますが、いきなり3巻読んでしまったよ。3巻なら3巻と、もう少し大きく書いてアピールして欲しい。誰も彼も新刊を待ち構えて読んでいるわけじゃないので……。

 内容は春先の大学構内およびその近隣を舞台にしたホラー話が5編。
 ホラーというか怪談話の詰め合わせなんだけれど、「恋も恐怖も増量中」と謳い文句にあるくらいで怖すぎて仕方が無いほどじゃないし、超能力で学生が悪霊と丁々発止で戦うアクションでもなく、ちょっと不思議でちょっと怖い、学生たちのサークル活動といった感じで読めます。

 生者に死者は勝てないし、なにより怖いのは生きた人間。結局、人間なんですね。

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