「デューン 砂の惑星１」 フランク・ハーバート

「あの女はいった、統治者たるものは強制ではなく、納得させることを学ばねばならない、と。最上の男たちをひきよせるためには最高のコーヒー沸かしを用意しなければいけないともね」
　真実審判師の魔女がポウル・アトレイデに語ったこと。

　皇帝の命を受けたアトレイデ公爵は、仇敵ハルコンネン家に代わって惑星アラキスを支配するため、一人息子のポウルを送り込んだ。
　アラキスは砂丘が果てしなく続く、乾ききった死の世界だが、抗老化作用を持つ香料メランジの唯一の産地なのだ……。

　仇敵ハルコンネンの陰謀や皇帝の奸計に立ち向かう青年から始まる大河小説。６０年代のＳＦ小説の代表作にして、ベストＳＦ作品リストには必ず名前のあがる１冊。デヴィッド・リンチの監督で映画化して盛大にコケたことでも有名。
　最初は今でいうところのライトノベル的パッケージで売り出していて、映画化したら映画スチールが表紙になり、また別のイラストになったりと二転三転してます。最近のハヤカワ文庫も、表紙イラストをマンガ家やアニメーターに描かせることが増えてきましたが、この時期のハヤカワ文庫は表紙はもちろんカラーイラストも挿絵もちゃんと入っていて、まさにラノベだったのです。
　こんな大河ＳＦの傑作をライトなどと呼ぶのはけしからんと怒る人もいるでしょうけどね。

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