付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「神々の角笛」 L・スプレイグ・ディ・キャンプ&フレッチャー・プラット

2015-05-16 | 異世界転移・召喚
「女というのはかならず変わった好みをもっているものなんだよ」
 牢に閉じ込められたハロルド・シェイは、トロールのスノッグにそう語った。

 リチャード・チャーマーズらガラデン研究所に所属する3人の心理学者たちは疑似物理学の発展のため、三段論法的転送機なる概念の技術開発に乗り出した。世界の基本設定を論理的形式で記述していくことで、時間と場所が異なった世界へと人間や物体を送り込めるのではないかというのだ。
 心理学者ハロルド・シェイはこの三段論法的転送機が成功するならばと、魅力的な美女たちが登場するアイルランド神話の世界への転移を試みるが、北欧神話の世界に到着してしまった。オーディンとかトールとか、いささか乱暴な神々が暴れ回る、ちょっと危険な世界だ。
 そんな人間以上の力を持った神々など本当に存在するのか疑問に思っていたハロルドだが、神々の黄昏は刻一刻と迫っていたのだ……。

 さえない心理学者の主人公が異世界に転移して、現代アメリカで身につけていた心理学や話術、フェンシングの技などでアサ神たちとの冒険を繰り広げます。
 死にかけたら転移した、死んだら転生した、悪魔みたいに召喚されたと異世界に移動する手段はいろいろ模索され、パターン化しつつありますが、このシリーズみたいに論理式で異世界跳躍というのは他に聞かない気がします。そして異世界のロジックに支配されているので、20世紀の物理学や化学の法則に支配されている道具は役に立たなく、英語も言葉として認識できなくなっているというのも特徴。

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