「天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山にいでし月かも」「もろこしにて月を見てよみける 阿(安)倍仲麻呂」遣唐使として唐に渡り帰国の途中難破して唐に戻り帰国できぬまま唐で死んだ。玄宗皇帝に仕え、遭難して長安に戻り粛宗、代宗にも仕えた。
また、唐詩 王維の五言排律に「送秘書晁監還日本国」がある。危険な航海を目前にした晁衝(阿倍仲麻呂)に献げた詩である。
「積水不可極 安知滄海東 九州何處遠 萬里若乗空 向国惟看日 帰帆但信風 鼈身映天黒 魚眼射波紅 郷樹扶桑外 主人孤島中 別離方異域 音信若為通」
さらに、李白の七言絶句に「哭晁卿衝」がある。「日本晁卿辭帝都 征帆一片遶蓬壺 明月不帰沈碧海 白雲愁色満蒼梧」
李白は航海失敗の知らせを聞いて彼が死んだものとばかり思っていたらしい。さもありなん。安南(ベトナム)付近に漂着したのだからな。