ロジャー・エンジェル集II 棚橋志行=訳 1994年 東京書籍
タイトルの“球場”には「スタジアム」とルビがふってあります。「スタジアムへいこう」
「アメリカ・コラムニスト全集」の第15巻ということですが、このシリーズの他は持ってません。
メジャーリーグのベースボールを眺めて書かれたエッセイ集。舞台は1985年から87年。
ロイヤルズのリリーフエース・クイゼンベリーの話とか、ブルージェイズやカーディナルスの戦い方の話とか、ピート・ローズが最多安打記録を更新したとか、キース・ヘルナンデスらを巻き込んだ麻薬事件の話とか、昔も今も変わんないと思うけどカブスのファンはチームに愛情を持ってるとか。
いま読むと、選手の名前が懐かしい。
なんといっても、ドワイト・グッデンが彗星のごとく現れたり、ロジャー・クレメンスが一試合20奪三振をやったころなんで。
いまより情報が全然少なかったけど、そのぶんすごい選手がいるもんだなって、遠くメジャーに思いをはせてたころだ、私にとっては。(クレメンスは長く私のヒーローだった。)
技術的には、スプリットフィンガー・ファストボールの登場があったのも、このころ。
ピッチングに関する科学的な話っていうのは、いつ読んでもおもしろい。(日本の野球談議は、とかく心理的なことばっか語ろうとしてて、面白くもなんともない。)
この本にも、パイレーツのGMシド・スリフトが、カンザスシティ・ロイヤルズ・ベースボール・アカデミーで実験や研究をしてわかったことを語るとこがある。
>同じ投手が投げた場合、フォー・シーマーのほうがツー・シーマーより、およそ6.4キロほど速くなる。
>球は、投手の手を離れてからプレートを横切るまでのあいだに53センチ落下するということだ。このときのスピードは136キロ、これはフォー・シーマーの場合だ。ツー・シーマーの場合は、61センチ落下する。この8センチの差は、およそボール1個ぶんに相当する。
で、球がホップするとかいうスカウトがいるけど、そんなことは物理的に不可能だという。
そして、誰もがホップしてたというサンディ・コーファクスの球についても、「あれは目の錯覚」と断じる。
このあたりのことについて、原注で、140gのボールを上昇させるためには時速240キロのスピードが必要という当時の推測も書かれてる。
コンテンツは、
「1 サブマリン・ストッパー」1985年夏
「2 夏の風景」1985年夏
「3 ミズーリへ」1985年秋
「4 キースへの喝采」1986年春
「5 偶然の出来事」1986年盛夏
「6 そうじゃない、ボストン」1986年秋
「7 球種の話」1987年春
「8 殿堂にて」1987年夏
タイトルの“球場”には「スタジアム」とルビがふってあります。「スタジアムへいこう」
「アメリカ・コラムニスト全集」の第15巻ということですが、このシリーズの他は持ってません。
メジャーリーグのベースボールを眺めて書かれたエッセイ集。舞台は1985年から87年。
ロイヤルズのリリーフエース・クイゼンベリーの話とか、ブルージェイズやカーディナルスの戦い方の話とか、ピート・ローズが最多安打記録を更新したとか、キース・ヘルナンデスらを巻き込んだ麻薬事件の話とか、昔も今も変わんないと思うけどカブスのファンはチームに愛情を持ってるとか。
いま読むと、選手の名前が懐かしい。
なんといっても、ドワイト・グッデンが彗星のごとく現れたり、ロジャー・クレメンスが一試合20奪三振をやったころなんで。
いまより情報が全然少なかったけど、そのぶんすごい選手がいるもんだなって、遠くメジャーに思いをはせてたころだ、私にとっては。(クレメンスは長く私のヒーローだった。)
技術的には、スプリットフィンガー・ファストボールの登場があったのも、このころ。
ピッチングに関する科学的な話っていうのは、いつ読んでもおもしろい。(日本の野球談議は、とかく心理的なことばっか語ろうとしてて、面白くもなんともない。)
この本にも、パイレーツのGMシド・スリフトが、カンザスシティ・ロイヤルズ・ベースボール・アカデミーで実験や研究をしてわかったことを語るとこがある。
>同じ投手が投げた場合、フォー・シーマーのほうがツー・シーマーより、およそ6.4キロほど速くなる。
>球は、投手の手を離れてからプレートを横切るまでのあいだに53センチ落下するということだ。このときのスピードは136キロ、これはフォー・シーマーの場合だ。ツー・シーマーの場合は、61センチ落下する。この8センチの差は、およそボール1個ぶんに相当する。
で、球がホップするとかいうスカウトがいるけど、そんなことは物理的に不可能だという。
そして、誰もがホップしてたというサンディ・コーファクスの球についても、「あれは目の錯覚」と断じる。
このあたりのことについて、原注で、140gのボールを上昇させるためには時速240キロのスピードが必要という当時の推測も書かれてる。
コンテンツは、
「1 サブマリン・ストッパー」1985年夏
「2 夏の風景」1985年夏
「3 ミズーリへ」1985年秋
「4 キースへの喝采」1986年春
「5 偶然の出来事」1986年盛夏
「6 そうじゃない、ボストン」1986年秋
「7 球種の話」1987年春
「8 殿堂にて」1987年夏