先崎学 2006年 講談社文庫
前回のつづき。
先ちゃんこと、棋士・先崎学八段のエッセイ文庫。
(どうでもいいけど、私は“プロ”という語がキライだ、将棋に関しては。“棋士”でいいと思う。)
先ちゃんのエッセイ集は、ほかにいくつかあるんだが、これは何と“ほぼ書下ろし”という変わったもの。
変わったというのは、ほかのは週刊連載とかのをまとめたものだから。
コンテンツは三章からなっていて、
第1部 毎日がガチンコだ! が文庫のための書下ろし。
第2部 盤外戦七番勝負 は「ナンプレファン」に連載したもの。
第3部 先崎学×森博嗣‐S&M対談 が前回とりあげた『すべてがFになる』の作者との対談。
この対談のなかで、森博嗣氏は、タイトルと人物表から先に作って書き進めるという自身の小説作法を披露している。
一方では同時に、コンピュータ使って前例を調べても強くならないという先ちゃんに対して、>キーボードがないと何も考えられないですね。紙に字を書くということをすると、文字の形が変だなとか、そういう方向に行ってしまうから(笑)。だなんてスゴイことも言ってる。慣れ親しんだ道具というのは重要だってことでいいのか。
まあ、そもそも何でこの対談が成立したかというと、森氏の書いたもののなかに「将棋指しが人間として一番いい」とかいう意味のこと(人間が走るよりバイクとかのほうが速いけど、将棋は機械が人間の脳を超えられないってこと)書いてあったかららしい。
先ちゃんのほうの発言でおもしろいのは、>エッセイは連載に向いてないんですよね、実は。エッセイというのは書きたいときに書きたいことを書くというのが本来であって、締め切りに追われて書くものじゃないんですよ。ってとこかな。
締め切り無くて、原稿なんか書くのかいなって気もするけど、そういうわけで、本書は締め切り無しで書かれた本ってことになっている。
なので、第1部のエッセイは、各項目ごとにページ数とかもばらばら。
でも、おもしろいけどね。
「困ったパーティ」という章では、若いころにパーティに出るときは、会に出る前に何か腹に入れてから行け、どんなことがあってもパーティの料理は食べてはいかん、と師匠に教わった話とかもあるんだけど、幹事をやった経験から、ホテルでやるパーティの屋台の料理の単価を暴露してたりして、元を取りたかったら寿司を食え、なんて言ってるとこが面白い。
あと第2部の“七番勝負”というのは、テキトーに選んだような題材について、どっちがいいか独断で判定をくだしてます。
「デジタル時計vs.アナログ時計」「俳句vs.短歌」「性善説vs.性悪説」「打上げ花火vs.線香花火」「どこでもドアvs.タケコプター」「りんごvs.みかん」「将棋vs.囲碁」
前回のつづき。
先ちゃんこと、棋士・先崎学八段のエッセイ文庫。
(どうでもいいけど、私は“プロ”という語がキライだ、将棋に関しては。“棋士”でいいと思う。)
先ちゃんのエッセイ集は、ほかにいくつかあるんだが、これは何と“ほぼ書下ろし”という変わったもの。
変わったというのは、ほかのは週刊連載とかのをまとめたものだから。
コンテンツは三章からなっていて、
第1部 毎日がガチンコだ! が文庫のための書下ろし。
第2部 盤外戦七番勝負 は「ナンプレファン」に連載したもの。
第3部 先崎学×森博嗣‐S&M対談 が前回とりあげた『すべてがFになる』の作者との対談。
この対談のなかで、森博嗣氏は、タイトルと人物表から先に作って書き進めるという自身の小説作法を披露している。
一方では同時に、コンピュータ使って前例を調べても強くならないという先ちゃんに対して、>キーボードがないと何も考えられないですね。紙に字を書くということをすると、文字の形が変だなとか、そういう方向に行ってしまうから(笑)。だなんてスゴイことも言ってる。慣れ親しんだ道具というのは重要だってことでいいのか。
まあ、そもそも何でこの対談が成立したかというと、森氏の書いたもののなかに「将棋指しが人間として一番いい」とかいう意味のこと(人間が走るよりバイクとかのほうが速いけど、将棋は機械が人間の脳を超えられないってこと)書いてあったかららしい。
先ちゃんのほうの発言でおもしろいのは、>エッセイは連載に向いてないんですよね、実は。エッセイというのは書きたいときに書きたいことを書くというのが本来であって、締め切りに追われて書くものじゃないんですよ。ってとこかな。
締め切り無くて、原稿なんか書くのかいなって気もするけど、そういうわけで、本書は締め切り無しで書かれた本ってことになっている。
なので、第1部のエッセイは、各項目ごとにページ数とかもばらばら。
でも、おもしろいけどね。
「困ったパーティ」という章では、若いころにパーティに出るときは、会に出る前に何か腹に入れてから行け、どんなことがあってもパーティの料理は食べてはいかん、と師匠に教わった話とかもあるんだけど、幹事をやった経験から、ホテルでやるパーティの屋台の料理の単価を暴露してたりして、元を取りたかったら寿司を食え、なんて言ってるとこが面白い。
あと第2部の“七番勝負”というのは、テキトーに選んだような題材について、どっちがいいか独断で判定をくだしてます。
「デジタル時計vs.アナログ時計」「俳句vs.短歌」「性善説vs.性悪説」「打上げ花火vs.線香花火」「どこでもドアvs.タケコプター」「りんごvs.みかん」「将棋vs.囲碁」