岡崎京子 1992年 角川書店
ヤングロゼ・コミックスって、「ヤングロゼ」は読んだことないけど。
ルームメイトの“セーコちゃん”と“ヨーコちゃん”二人の物語。
岡崎マンガには、けっこう女友達同士の話ってのはあるんだけど、初期のころの「くちびるから散弾銃」とかの他愛ないおしゃべりってのと違って、このころから、だんだん関係がややこしくて、ディープな感じの展開が目立ってくるような気がします。
舞台は80年代の終わったころかな、例によって、バブルの夢は残ってるかもしれないけど、そろそろヤバイ喪失感に気付き始めちゃってると言っていいころです。
主人公二人の性格は当然違ってて、引用すると
「あたしセイコ 好きな花はピンクのばら
あこがれはマリー・アントワネット(略)
「お菓子を食べればいいのに」っていってみたくてたまらない
ああ でも本当は 小さな家に白いブランコ 午後のティー・タイム
こいぬのよこにあなたがいてくれたら」
「あたしヨウコ なでしこが一番好き
ソンケイするのはヤマノウチカズトヨの妻
早くあなたのぬかみそくさい女房になりたくて(略)
ああ でもやっぱ あこがれちゃうわ 外資系のバリバリOL」
というように寝言をぬかしてるんだけど、それぞれ理想と現実のギャップを自分なりにかかえてはいる。
ちなみに、物語の冒頭での設定は、二人の年齢は二十歳で、学生ということのようで。
で、二人とも「ステキなダーリンに出逢うこと」という夢があって、日々そういう活動に励んでるんだが。
なんせ、その時代のことなんで、友だちのつてで出たパーティで男を見つけては、「ひさびさの上玉!! カモよ!!カモ!! ケーオー!!医学部!!末っ子!!独り暮らし!!BMW!! 親は年寄りで軽井沢別荘つき!!」とかいうとこにポイントを置いてたりすんだけど。
全然どうでもいいことだけど、ケータイとかメールとかない時代の話はいいね、やっぱそのころのコミュニケーションの展開のほうが、私なんかは読んでてシックリするものがある。
で、まあいろいろあって、見た目派手でボーイフレンドは星の数なんだけど、実は自分だけの「のっぽのサリー」を求めている乙女チックなセーコちゃんが、ついに見つけたと思ったサリーは、ヌカミソかき回すのが日課で、男のひととフツーに話せないんだけど、男好きのする容姿してるせいでいろんな目にあっちゃって、本人の意思とは裏腹に水商売の才能があるヨーコちゃんの、昔の男だったりする。グチャグチャした展開。
でも、「もう死ぬっきゃない」みたいな電話してきたヨーコちゃんのとこへ、セーコちゃんが駆けつけると、部屋にひとりでいるヨーコちゃんが「首つろうとしたら いいハリがなくて ダメね 最近の日本の住宅って」と言ったりする、こーゆーどうでもいいようなとこで、セリフがツボにはまったりするんで、ヘビーな展開でも読まずにはいられません、私。
「I ダーリンを探せ!」「II でっかい恋の物語。セーコちゃん篇」「III ウェディング・ベルは一度だけ?」の3章から成ってますが、後半では、未婚の母になったヨーコちゃんの娘を、セーコちゃんが「別にいいじゃん 別にパパとママじゃなくても ママが二人いてもいいじゃん!!」と言って、二人で育てます。うーん、やっぱ意外とディープだなぁ。
ちなみに、短編集『チワワちゃん』に入ってる『夏の思い出』って短編にも、ヨーコちゃんとセーコちゃんのたくましい冒険話があります。こっちは無条件にア・カルイ展開。
ヤングロゼ・コミックスって、「ヤングロゼ」は読んだことないけど。
ルームメイトの“セーコちゃん”と“ヨーコちゃん”二人の物語。
岡崎マンガには、けっこう女友達同士の話ってのはあるんだけど、初期のころの「くちびるから散弾銃」とかの他愛ないおしゃべりってのと違って、このころから、だんだん関係がややこしくて、ディープな感じの展開が目立ってくるような気がします。
舞台は80年代の終わったころかな、例によって、バブルの夢は残ってるかもしれないけど、そろそろヤバイ喪失感に気付き始めちゃってると言っていいころです。
主人公二人の性格は当然違ってて、引用すると
「あたしセイコ 好きな花はピンクのばら
あこがれはマリー・アントワネット(略)
「お菓子を食べればいいのに」っていってみたくてたまらない
ああ でも本当は 小さな家に白いブランコ 午後のティー・タイム
こいぬのよこにあなたがいてくれたら」
「あたしヨウコ なでしこが一番好き
ソンケイするのはヤマノウチカズトヨの妻
早くあなたのぬかみそくさい女房になりたくて(略)
ああ でもやっぱ あこがれちゃうわ 外資系のバリバリOL」
というように寝言をぬかしてるんだけど、それぞれ理想と現実のギャップを自分なりにかかえてはいる。
ちなみに、物語の冒頭での設定は、二人の年齢は二十歳で、学生ということのようで。
で、二人とも「ステキなダーリンに出逢うこと」という夢があって、日々そういう活動に励んでるんだが。
なんせ、その時代のことなんで、友だちのつてで出たパーティで男を見つけては、「ひさびさの上玉!! カモよ!!カモ!! ケーオー!!医学部!!末っ子!!独り暮らし!!BMW!! 親は年寄りで軽井沢別荘つき!!」とかいうとこにポイントを置いてたりすんだけど。
全然どうでもいいことだけど、ケータイとかメールとかない時代の話はいいね、やっぱそのころのコミュニケーションの展開のほうが、私なんかは読んでてシックリするものがある。
で、まあいろいろあって、見た目派手でボーイフレンドは星の数なんだけど、実は自分だけの「のっぽのサリー」を求めている乙女チックなセーコちゃんが、ついに見つけたと思ったサリーは、ヌカミソかき回すのが日課で、男のひととフツーに話せないんだけど、男好きのする容姿してるせいでいろんな目にあっちゃって、本人の意思とは裏腹に水商売の才能があるヨーコちゃんの、昔の男だったりする。グチャグチャした展開。
でも、「もう死ぬっきゃない」みたいな電話してきたヨーコちゃんのとこへ、セーコちゃんが駆けつけると、部屋にひとりでいるヨーコちゃんが「首つろうとしたら いいハリがなくて ダメね 最近の日本の住宅って」と言ったりする、こーゆーどうでもいいようなとこで、セリフがツボにはまったりするんで、ヘビーな展開でも読まずにはいられません、私。
「I ダーリンを探せ!」「II でっかい恋の物語。セーコちゃん篇」「III ウェディング・ベルは一度だけ?」の3章から成ってますが、後半では、未婚の母になったヨーコちゃんの娘を、セーコちゃんが「別にいいじゃん 別にパパとママじゃなくても ママが二人いてもいいじゃん!!」と言って、二人で育てます。うーん、やっぱ意外とディープだなぁ。
ちなみに、短編集『チワワちゃん』に入ってる『夏の思い出』って短編にも、ヨーコちゃんとセーコちゃんのたくましい冒険話があります。こっちは無条件にア・カルイ展開。