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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ブレードランナー

2010-11-27 19:38:48 | CD・DVD・ビデオ
『ブレードランナー クロニクル』 2010年 ワーナー・ホーム・ビデオ
こないだ『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を読み直して、やっぱどーしても観たくなって、買っちゃいました、DVD。
オリジナル劇場版『ブレードランナー』(1982年)、インターナショナル劇場版『ブレードランナー 完全版』(1982年)、音声・画質初リマスター『ディレクターズカット/ブレードランナー 最終版』(1992年)の、3つが1枚のDVDに入って、安い。
それぞれのバージョンの違いは、大まかにいうと、オリジナル版に「レプリカント」による残虐なシーンがちょっとだけ加わったのが完全版、オリジナル版から主人公のモノローグを除いて、「ユニコーンの夢」と呼ばれるシーンを加え、ラストの明るい部分(?)を取り去ったのが最終版ということになります。
(このDVDには、それぞれ冒頭にリドリー・スコット監督の短い(1分くらいの)イントロダクション(ここがこう違う)があります。)
見比べて、私の趣味としては、ラストは最終版のほうがいいけど、主人公のモノローグはあったほうがわかりやすいかな、ってとこです。(主人公であるブレードランナーに内面があるってことが。)
ちなみに主人公を演じてるのは、ハリソン・フォード。ハン・ソロもインディ・ジョーンズも好きですが、私はこのブレードランナーの、カッコわるいハリソン・フォードがいちばん好きですね。
ストーリーは言うまでもないですが、未来を描いてるSFのくせして、妙にゴミゴミした街の描写とかが、いいです。2019年のロサンゼルスなんだけど、あちこちに日本語とかがあふれてる、不思議な空間です。近未来は整然としたスマートな都市ぢゃないよ、ってのは当時としては新しいアイデアだったんぢゃないかと思いますが。
(ひさしぶりに見た、あの有名な「ふたつで十分ですよ!」「ツー、ツー、フォー!」のシーンには、思わず笑った。)
制作当時の想像では、この時代になると車が空を飛んでるようだけど、どうやらあと9年くらいでは、現実はそこまでいきそうにないですね。
人間そっくりのアンドロイドを作っても、車が空を飛んでも、ひとは雨のなか傘を差してるってのが、個人的には妙に気にかかる。雨の日に片手を傘差すことに割かれる労力から人間が解放されるべき、ってのが、ありそうでないSFの設定だと思ってるもんで。(高校の同級生に、そのテの開発を夢みるやつがいた。)
レプリカント(アンドロイド)たちの描写については、今回見直してるうちに、意外と「写真」に固執したりしてるんだよね、という単純なことを改めて思った。原作にもあるとおり、レプリカントの寿命は4年くらいなんだけど、植えつけられた、あるわけのない、幼少時の記憶なんかを、写真と一緒に持ってるわけで。(「これが私の小さいとき」みたいに言うわけだ、去年人工的につくられたばかりのアンドロイドが。)
写真とか映像で証拠がないと、現実かどうかおぼつかない、はかない人間の記憶(自己同一性っつーか)ってのも何だかなー、という感を、映画から突きつけられてしまったりして。
あと、音楽もいいですね。シーンの後ろで静かに流れてるのが、意外と耳に残って離れない。

(どうでもいいけど、買ったあと今になって気になってるのが、このDVDのジャケット(って言わないか?)、映画館の外に描いてある看板の絵みたいで渋い。)

コメント
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