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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

デカルト=哲学のすすめ

2010-11-21 19:07:38 | 読んだ本
小泉義之 1996年 講談社現代新書
きのうの『記憶力を強くする』のなかに、以下のような一節がある。
デカルトがいまから三世紀も前に『情念論』という著書の中で記憶について語った部分です。(略)
心がある事柄を想起しようと欲した場合、(中略)、思い出そうとする対象が残した痕跡の存在する箇所に出会うまで、脳の各所に精気を押し流すのである。けだしこの痕跡とはかつて問題の対象が現れたために精気がそこから流れ出した脳気孔にほかならず、その結果、この痕跡は精気が到達した場合、ふたたび同様にして開くことが、他の気孔とくらべてはるかにたやすくなっているのである。したがってこの気孔に出会った精気は、(中略)、この対象こそ心の思い出そうとしていたものであることを心に教えるのである
なんのことだか分かんないけど、「精気」を「活動電位」、「気孔」を「シナプス」という現代の科学的用語に読み替えると、ある特定のシナプスが活動しやすくなる現象こそが記憶である、と説いていることになって、
多くの哲学者が記憶について論じてきましたが、これほど本質をつき、そして現代科学に通用する思弁を提示してみせた人はデカルトをおいて私は知りません。
ということだそうで。さすが、デカルト、思索によって、神経回路のつくりなんか知りようがない時代に、脳細胞の真実に到達するなんて。
というわけで、デカルト。って、これは、それとは全然関係なく、ちょっと思い立って少し前に読んだもの。入門書としてはこれがいいという話をきいたもんで。
しかし、難しいです、十分に。
そこまで考えるかぁ!?って偉大さには気づくけど、ぢゃあ何を目指してたのか簡単に言いなさいっていわれたら、ピンと来ないって白状せざるをえません
コメント
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