以前、講演会に行く機会のあった重村智計氏(元毎日新聞社)の、”外交敗北”という本を読んだ。講演会の内容と、ほぼ重なったので、あまりびっくりという感じではなかったが、北朝鮮という得体の知れない化け物相手に、右往左往した政治家や、外交官の様子が、リアルに描かれている。穏便に仲良くやろう、うまく儲けよう、手軽に名を上げようという下心があるため、利用され、袋小路に入ってしまった様子が、よくわかる。
ちなみに、本書で出てくる(私自身、自慢しているので、当ブログにも書いたことがあるかもしれないが)、Mr.Xには、出会ったことがある。
シンガポールからジャカルタに日帰り出張した時の、帰りの便で、任務を終えた北朝鮮の3人組(内一人は、Mr.X)と、かち合ったのだ。
当時、ジェイキンスさん一家を、ジャカルタで、日本政府に引き渡すという重要任務を終え、シンガポール経由帰国の途だったと思う(多分その後中国経由だと思うが)。
その時は、ジェイキンスさん一家の泊まっていたジャカルタのインターコンチは、観光地化していた。
北朝鮮の3人組は、サングラスをした異様なダークスーツ姿で、胸に、大きな北朝鮮のフラッグのピンバッチをしているから、いやでも目に入る。シンガポールのチャンギ空港で、足早に、要領よく、手馴れた様子で、別のゲートへ、移動していった。
ジャーナリストの言うことは、普通、話半分かとも思うが(失礼!)、重村氏の弁は、そのキャリアも考慮すると、説得力があると思う。