櫻井よしこさんの講演を聴いた時、この本のことを絶賛していた。ということで、読んでみた。確かに、中国の北朝鮮に対する政策(気持ち?)がリアルに描かれている本だ。作者は、欧陽善とされているが、偽名で、中国の中枢にいる人の著と思われる。
北朝鮮というと、中国の庇護の下、生きのびていると思い勝ちだが、この本を読むと内状は、かなり違うんではないかと思われてくる。
『これまでに中国が行った対朝援助を合計すれば、その総額で朝鮮をもう一つ作ることができる』
2006年1月に、金正日が中国訪問した時のことは、結構報道されていていたので、覚えている人も多いと思うが、その時の中国の対応が、金正日に対する最後通牒になったというのである。
確かに、その後、北朝鮮は、アメリカに急接近した。アメリカにとっても、北朝鮮との接近は、中国と北朝鮮を分断させるのに好都合だった。金にとっては、現体制の継続と政権の維持こそが何よりも勝る大事なことなのだ。そして、相手を変えた。
中国は、いまや、北朝鮮のことを『一緒にいるのは嫌なのに、ただ長年のつきあいがあるために捨てられない』古女房のように思っているのだろうと本書はいう。
残念ながら、日本は、蚊帳の外。北朝鮮にも本気で相手にはされていない。