本書は、ビートルズの50周年関連の本かと思ってGETした。
このBeatlegという本は、相当マニアックで、普通の本屋では売っていない。
たぶん”Beatleg"という言葉は、”Bootleg”から派生した造語で、Bootleg=密造酒のBootをBeatに変えたものと思われる。BeetlesをBeatlesに変えたように。
そういった意味では、本書は、読者の期待に大きく答えてくれる。
特に、標題のビートルズ特集は、圧巻だ。
私も若かりし頃、ちょっとBootは入手していたが、次々と新たな発掘品が出て、アップルが、オフィシャルなBootleg=Anthologyを出してからは、興味を失っていた。
しかし、本書のように、テーマを絞って(ビートルズがコンサート活動を行っていた時代に)、これだけの音源を集めた書は初めてではないか。テーマ絞って、時系列的に整理したところに本書の強みがある。
それにしても、よくもここまで聴き込んで、調べ上げたものだ。ビートルズが現役時代だったのは、50年近く前になるが、記録が残っているツアーと、残っていないツアーのばらつきが激しい。
当時、放送しない限り、コンサートの記録をとるということも少なかったのだろう。
演奏をしている内に、観客に音が聞こえていないことに気づき、途中から、遊び半分で演奏していることが露骨にわかる演奏もあるという。
もちろんいいことではないが、当時のシステムからしてみれば、無理もないことだっただろう。
ユーミンとプロコルハルムのジョイントコンサートと、ビートルズのトリビュートバンドであるレインのコンサートの論評が好意的だった。もちろん、欲言えば切りがないのだけど、両コンサートに行けたので、素直に喜びたい。
ビートルズの音源マニアにお勧め。ふつうのマニアだったら、アンソロジーシリーズで、十分?