かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

玄奘三蔵 祈りの旅

2013年02月17日 | Books
今日もゴルフだったが、ぴりっとせず。午前中は、薄曇りで、ずっと寒かったが、午後は、晴れ間も出て、まずまずの天候だったのだが。



本書は、何で、ツン読になっていたのだろう?中に、横浜高島屋の2005年の平山郁夫展のチケットがはさまっていたから、もう8年近く前に買って、そのままになっていたようだ。

平山さんが、薬師寺の壁画を描き上げて間もないころ、自伝≒シルクロード巡礼≒画家としての記録をまとめ上げた本で、すばらしい内容だった。
薬師寺の壁画を描き上げたころ、NHKの特番があって、その番組が、本書を著すきっかけになったようだ。

平山さんの本は、たくさん読んだが、本書では、特に、薬師寺の壁画の制作過程と、初期のシルクロード巡礼の話が面白い。
壁画の依頼があってから、玄奘の巡礼をテーマに題材を決め、繰り返し繰り返し、構想を練った。下絵と、完成画が並んで載っているが、月の位置が変わったり、人の影が加えられたり、平山さんの命をかけた、思い入れが詰まった作品である。
私も、薬師寺で、何度か見たし、下絵展も見に行ったのだが、ここまで制作過程を解説していただくと、味わいも深まる。

最初に敦煌に行けた時の感動、楼蘭に降り立った時のスリル。高山病と戦いながら、エベレストを見に行き、それが、薬師寺のメイン画の題材になった。シルクロード巡礼も、我々が、観光で行くのとは、レベルの違う探検に近いものだった。
しかも、百数十回!

平山さんが、亡くなられる10年以上前に著された本だが、平山さんの玄奘に対する思い、絵画に対する思いがよくわかる感動的な本だと思う。
コメント
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