本書は、実は、某雑誌で、既に読んだ。後書きによると、その読み物は、この本の原型とあるが、ほとんど一緒だったと思う。それとわかってGET。それほど、感銘を受けた本。
沢木さんが、キャパに興味を持っていることを知ったのは、彼の講演を聞いた時。
その時のレポートは載せたと思うが、本書で明かされる成果の、ちょうど半分ぐらいまで、調査が進んだ段階での講演だっただろう。
それだけで、十分感銘を受けたところに、某雑誌で、ほとんど完結版を読んで、涙したところに、NHK特集の放送があった。これまたいい出来だった。
そして本書。実は、さらに、横浜美術館で、キャパの展覧会をやっているのだが、行けるかまだわからない。
それほどはまっている本なのだ。
とにかく沢木氏のこだわりが凄い。一枚の写真への疑問を解くために、ここまでやるか?そして、そこから探り出した事実らしきものから、キャパの心情に迫る。
ゲルダタローが、キャパのこの謎の写真に、どうかかわっていたのか?
ラストの写真が涙を誘う。
講演の時には、まだそこまで迫っていなかったのだが、本書では、一応の結論までたどり着いている。世界的に、認知されるかはわからないが。
ちなみに、若きキャパのパートナーだったゲルダタローのタローは、あの岡本太郎さんからいただいた名前。かの有名なロバートキャパの名も、本名とは全く関係ない。
ネタバレしてしまうと申し訳ないので、写真、戦場写真家、ドキュメント物に興味のある人に、是非読んでいただきたい逸品であることだけは、保証しておく。
明日から、小旅行なので、お休みするかも。
PS
過去のブログをチェックしたら、沢木さんの講演を聞いたのは、2010年11月だった。もう、2年以上前だった。そして、本プロジェクトの、まだ五合目だったことが確認できた。