かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

逆説の日本史 24 明治躍進編

2021年11月02日 | Books


漫画で、長年、連載が続くことはあるが、歴史書で、これだけ連載が続く例は、記憶がない。
ということで?文庫化された逆説の日本史最新刊をゲット。
面白い。
いつもの通り、権威絶対主義、呪術的側面の無視・軽視、史料絶対主義に、堂々と立ち向かう?
すっかり染まってしまったかな?

明治維新後の新体制構築から、日清戦争までを描くが、この時期に第二次世界大戦の敗戦の種が知らず知らずの間に撒かれてしまってあたことかわかる。
渋沢栄一は出てこないが、今の青天を衝けで描かれている時代のことだ。

まずは、議会と天皇の関係。
これは、イギリス流と、ドイツ流とどちらにするかというとこだが、天皇重視のドイツ流となる。
明治14年の政変で、イギリス派の大隈が(福沢も加わり早慶連合)野に下り、ドイツ派の伊藤(岩倉とタッグ)が主導権を握ったことによる。
その時点では、軍は、政治に関わらないはずだったが、無実化され、天皇のための戦争ということに、持っていかれた。
仕事の関係で、よく出てくるロエスレルも大きな役割を担う。
そのストーリーを作ったのが、あまり表に出てこないが、井上毅。

絶対的権力は、絶対的に腐るという言葉も、昨今の政治を見てると、グサリとささる。
まさに、歴史は学ぶべきもの。

朱子学の害についても、繰り返し出てくる。
中国、韓国の近代化が遅れたのは、朱子学が徹底して、西欧を排除し続けたためだと結論。
日本は、天皇を祀りあげたことにより、他の身分の平等さが高まり、朱子学から脱却し、急速に近代化を進めることができてしまった。
そして、欧米に焚き付けられ?清と戦い勝ってしまった。
そして、下関条約での成功。

その成功を導いた陸奥宗光の話も面白い。
歴史では、立派な外交官として学んだが、かなり荒っぽい人間だったらしい。
だからこそ、切った張ったの交渉に成功したのだが。
ただ、その後の三国干渉で、戦利の半分は、放棄させられるが、台湾を得た。
ただ、台湾は、清にとっては、当時は、めんどくさい野蛮人が住む、未開の島でしかなかった。
日本は、そこで、クソ真面目に、教育システムの構築から、あらたな、台湾作りを始めた。

韓国は、相変わらず自ら変革することができず、日本に併合されてしまう。
元々、韓国は、朱子学から、中国に従うことを是としてきたため、自ら独立するという気もなかったが、清が弱体化し、行き場を失った形だ。
朱子学においては、上に背くとこは、悪そのものであり、当時の清、韓国の政治に不満を持つものは、朱子学の教えに反しないように、宗教団体として、反旗を魔キ形をとった。
日本の統治の仕方も悪かった。

井沢氏の本を、右に寄り過ぎと、批判的に見る向きもあるが、私は、そうは思わない。
それは、本書をよく読んでみれば、わかることで、戦後の左寄り過ぎた学会から見ると、右に寄りすぎに見えるのだろう。
確かに、第二次世界大戦敗戦を見て、左寄りの考え方がベースになってしまったのは、わかるが、もうもう75年も経っている。
今の世界の状況を見て、日本の立ち位置を客観的に捉える観点がますます重要になっている。
教育勅語も、全編をしっかり読むことが肝要。
曲解された部分を除いては、近代日本の建設に、大きな足跡を残した。
教育こそ、国の力の源泉だ。

今回の選挙で、改憲派が、ますます増えた。
真摯な、憲法議論が進むことを願う。
もちろん、平和を重んじる憲法が前提だが。
コメント
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