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地下系アイドルのマーケティング

2017-11-30 10:00:00 | 17期生のブログリレー

こんにちは小口です。

先日子供(次女、高校生)と二人で外食をした際、彼女が最近ご執心な「地下系アイドル」についての話しを聞くことができました。親子の会話を楽しむつもりが、マーケティングの話として捉えてもとても示唆に富んだ話だったのでこの場をお借りして共有したいと思います。

私と同じくこの業界に造形の浅い方、会話のネタにしてください。

なお、この業界に造形の深い方がいらしたら、理解の齟齬等あっても見逃してください。

それでは、まずは「地下系アイドル」の定義から。

地下系アイドルとは、娘曰く、メディア露出が少なく小規模なライブを中心に活動しているアイドルのことのようです。従ってAKB48はこのカテゴリーには入らないとのこと。大別すると音楽系を重視した下北沢で活動している「下北系」と可愛いさ等ビジュアルを重視した秋葉原で活動している「秋葉系」の2系統があり、わが子は「秋葉系」がご執心のようです。

 それでは、「地下系アイドル業界」の売り込み方を、(私の勝手な理解にて)マーケティング手法にあてはめながら以下紹介します。

 ONE To ONE マーケティング

現場に権限を与え、臨機応変な対応と対話により長期的な関係つくりを行う手法であるONE To ONEマーケティング。地下系アイドルの売り込みの手法はまさにONE To ONE マーケティングであるというのが私の理解です。

地下系アイドルの世界では、「アイドルとの双方向コミュニケーションを欲している」顧客に対して、グループを訴求する「箱推し」(業界用語らしいです)ではなく、各メンバーを売り込んでいく「単推し」(同じく業界用語)が主流のようです。

各メンバーは、自分についてくれたファンの名前を憶え、ファンがライブに来た時には知り合いのように会話し、強固な関係性を築くよう努めます。そのため、売上はグループのCD販売よりもメンバーとツーショットで「チェキ」をとる等のサービス販売が大きいとのこと。マニュアルで標準化されたサービスではなく、各メンバーの個性により差別化されたサービスが売りとなるわけです。まさにONE To ONE マーケティングですね。

 顧客ロイヤルティプログラム

地下系アイドル業界の重要イベントのひとつが「生誕祭」。メンバーの誕生日を祝うライブのことです。このイベントでは選ばれた特定ファンのみがファンを代表し花束と色紙(ファンの寄せ書き)をメンバーに手渡すことができます。このファン代表になるにはライブへの高頻度の来場に加え、メンバーを「他者へ推奨する」貢献が他のファンに認められる必要があるとのことです。

昨今欧米企業を中心に、購買頻度等のみの過去データで顧客の重要度を図るのではなく、他者への推奨を行う顧客を重視する動きがあります。この「ファン代表」の取り組みはまさに時代の先端と言えるのではないでしょうか?

 以上、さらに深堀すると、目から鱗の手法がありそうですが、それは次回の楽しい親子外食時までとっておこうと思います。また新たなる発見があれば報告します。

コメント (2)
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