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広告稼業の棚卸 その7「バイアスとステレオタイプ」

2018-11-18 12:00:00 | 18期生のブログリレー
稼プロの関係者の皆様。18期の市原です。
今回は改めて少し幅広く、認知について考えてみたいと思います。

昨今、ダイバーシティという言葉を目にすることも増えました。人々の価値観は多様です。一方、情報をありのままに受け止めることは困難を伴います。そのため、人々はバイアスやステレオタイプといった、ショートカットを利用します。

マーケティングでは、これらバイアスやステレオタイプを当然に活用しています。目標は、バンドワゴン効果を作ることともいえます。みんなが知っているから安心だ。みんなが知っているから良いものに違いない。このような意識やイメージの醸成です。セグメントとは、これの効率化です。

商品の拡販に向けて、販売の実績を「創り」ます。はじめは希少性の演出で、「初回限定」などのセールストークを使います。値ごろ感を生むアンカリング活用では、通常価格を赤字で消し、特価を併記します。わかっちゃいるけどやめられない、サンクコストも利用します。スター○ーズのペットボトルキャップなど、シリーズもののノベルティです。このような施策を総動員した後、実績を「探し」ます。“地域”や“今週”、“○○部門”など、とにかくNo.1を見つけるのです。No.1が見つかれば、「販売実績No.1!(○○地域限定)」です。この流れが一つの型です。

では、ステレオタイプとは?反発も多いでしょうが、ブランドともいえます。ブランドは、感情バイアスや確証バイアスによる、商品選択のプロセスのショートカット機能です。ハロー効果は、商品のエクステンションに有効です。強固なブランドが作られると、意に反する情報は否定されます。認知的不協和です。

マーケティング・コミュニケーションとは、バイアスの操作であって、ステレオタイプの形成です。怖いですね。

さて。かなり煽った書き方をしましたが、実際はそれほど上手くコントロールできません。ご存知のように企業の評判は、一つの不祥事で一瞬に崩れ去ります。地銀の優等生といわれたスル○銀行は、シェアハウス等への不正融資で、回復不能なダメージを負ったのではないでしょうか。マーケティング・コミュニケーションは、生活者の意識へと訴えます。しかし、完全なコントロールなどは不可能です。そして、これは変わらないステレオタイプがないこととも同義です。ダイバーシティが叫ばれる中で、社会には不寛容な考え方も多々みられます。しかし、これも変えられるはずです。

私自身、コミュニケーションには力があると信じています。これを使って、企業の成長と同時に、様々な偏見の解消に貢献したいと考えています。ダイバーシティ万歳!
コメント (2)
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