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GMS vs. 地元スーパー

2018-11-30 16:00:00 | 18期生のブログリレー

皆さん、こんにちは。18期生の平野です。

 

先日、私にとってショッキングなニュースがありました。自宅から歩いて5分のところあるイトーヨーカドー直江津店が来年の6月に閉店するという報道です。2015年頃から2020年にかけて約40店の店舗を閉鎖するという話は以前から耳にしていました。しかし、それが子供の頃から慣れ親しんだ近所のお店にも及ぶとは……。ついに来る日が来たかという感じです。

 

直接的な要因は、今年の4月、わずか150m先にオープンした、地元ドミナントの食品専業スーパーの存在です。このスーパーは、生鮮食品に強みを持ち、地元住民の食文化を的確に捉えた品揃えで、上越地域に他店舗展開をしています。それに加え、成城石井やコストコなどのPB商品も置くなど、品揃えも他のスーパーと差別化しており、この厳しい競争下でも近隣消費者の評価を得ています。イトーヨーカドーもセブンプレミアムなど好調ですが、これだけの至近距離に競合が現れたら、消費者が流れてしまうのは当然で、売上げの減少は避けられなかったでしょう。

 

食料品分野への影響もさることながら、以前から続いてきた衣料品の販売不振も要因としてあるようです。なんとかここまで、堅調な食料品の販売により、衣料品の不振を補っていたのでしょうが、それができなくなっての撤退なのでしょう。

 

GMSの事業モデルは「食料品で客を呼び、衣料品や家電・家庭用品を売って利益を上げる」方式だったと言われています。しかし、衣料品はユニクロやしまむらなどのファストファッションや、ZOZOTOWNなどのネット通販。家電はヤマダ電機などの家電量販店。家具・インテリアチェーンのニトリなど。専門店やネット通信販売のほうが、特色ある商品や安価な商品が手軽に買えるようになりましたね。GMSが扱う衣料品や家具・家庭用品の訴求力は低下する一方です。頼みの綱の食料品分野でも競争が激化し、収益力が低下しては、撤退するのが最善の選択だったのでしょう。

 

それにしても、弱っているとはいえ天下のイトーヨーカドーに喧嘩を売って、勝ちを収めた(収めようとしている)当該地元スーパーは、あっぱれです。GMSが弱っているところをついて、目と鼻の先に店舗をオープンさせたのは、経営者の慧眼であったと思います。相手が閉店するのを待ってから出店するのではなく、自分から先手を打って出て閉店に追い込んだのがスゴイですね。イトーヨーカドー撤退後、次なる競合が現れない限り商圏のシェアをごっそりと奪うことになるでしょう。この経営判断の裏にはどんな、勝算があったのか、気になるところです。

 

世の中はどんどん変化していきます。

生き残るのは強いものではなく、変化に適応したものです。

環境や状況の変化を当然として受け入れ、適応していく必要性を改めて感じさせられます。

コメント (5)
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