19期生余合です。4回目の私のブログは、直近市民無料相談会へ初参加しましたので、その感想を述べます。
この無料相談会は、毎年年1回の頻度で開催されており、対象は「市民ならどなたでも」いうことでした。
一コマ30分、合計50件程度の相談をお受けする会でした。
相談内容は個人の方の参加が多いため、不動産の絡んだ相続関連の相談が多く、弁護士・税理士・不動産鑑定士の方々は大忙し。
我々診断士の出番は10コマあり、例年は5,6コマのようなので今回はちょっと多目の出動となりました。
私はそのうち2回の相談に参加。両件とも税理士、司法書士、診断士のチームで相談を受けました。
1件目は事業承継関連のご相談、ということでしたが、話を聞いてみると、すでに後継者は決定済みでご本人も納得済みとのこと。相談事は代表者変更の登記上の手続きが主で診断士の私の出番は持ち時間30分の内最後の5分程度でした。
かなり親しくならないと事業承継の相談はこない、という話をよく聞きますが、今回の相談も初対面の相手に時間が30分しかない状況でなかなか実情は把握し辛く、ご家族のお話や金融機関・取引先関連の状況を確認するのが関の山でした。
ただ、社長だけが持つ特殊加工技術の話になった段階で70歳の社長の表情が一変し、長年いかにこの特殊技術で大手を含む取引先に自分の技術が貢献してきたかを話している姿は日本の中小企業の持つ力と悩みを端的に表しているようでした。
個人の技術では特許でカバーするのは困難で、後継者の育成も人手不足で難しい。このままではこの技術は伝承されずに埋もれてしまうことになるのかと考えさせられる相談でした。
M&Aで人材に余裕のある会社が事業を買取り技術を伝承させることが可能なのか、あるいはAIの進化が早晩このような経済規模の小さい会社の技術まで採算に見合う形で取り込むことができるようになるのかと今後事業承継のサポートに取り組みたい私としてはよい検討材料になりました。
もう1件の相談は、2代目の若手社長が法人化を今の段階ですべきか否か、法人化の手続き、税務面でのメリットデメリットも含めての相談でした。創業塾で学ばれた経験を踏まえ、事業計画を立案の上、資金繰りの目途も立っているとのこと。第3者の目で自分の計画をチェックの上背中を押してもらいたいという意味合いでの相談事でした。HPやSNSでマイクロビジネスが普及しているとの認識はありましたが、思っていた以上の広い業界で小規模の企業・個人事業がニッチな領域で既存商圏をITで軽々と越えて顧客を獲得している実例を見た30分でした。
顧問先などまだまだの悪戦苦闘中の診断士ですが、実働2件で20分の相談でも実際にがんばっている中小企業のマネジメントと話をすることは楽しい!と再度感じた相談会初参加でした。