みなさん、こんにちは。
19期生佐々木辰也です。
朝晩がだんだん冷えてきた今日このごろですが、みなさんお風邪など召しませぬようご自愛ください。
10月に衣替えを行った方も、このタイミングで冬物を取り出しやすくする必要があるかもしれませんね。
織りなす布は貴方を暖めてくれることでしょう。
さて、話は変わりますが私たち診断士は一般の方よりも多く、「経営」という言葉を口にするのではないかと思います。
今日はこの「経営」という言葉に焦点をあてたいと思います。
「経」という字は、古代中国では織物のタテ糸を意味していたそうです。
他に経をつかった用語に経線があります。地球儀や世界地図で地点を示す場合に使うタテ線のことを指す言葉です。
やはりタテなんですね。
また、経には動かないという意味もあるようです。仏教では、不変の道理を示した書物のことを、経(きょう)といいます。
織物においても、布を織る際にはタテ糸は動きません。
一方で「営」の字は、さしずめヨコ糸と解釈できます。
タテ糸がまっすぐに通っているからこそ、ヨコ糸は自由自在に動ける。
このタテとヨコが織りなすのが経営でありましょう。
カッコのいいことを書いていますが、実はこの話のほとんどは私の大好きな経営者である、藤沢武夫さんの本が出典です。
その本には直接的な表現では書いていませんが、ここでいうタテ糸は藤沢さんのことで、ヨコ糸は本田宗一郎さんを指していると本全体から感じ取ることができます。
「診断士さん。ウチの会社はWebマーケティングをもっと強化したいし、フラグシップ商品も出したい。設備の更新もしたいし、地域への貢献活動もやりたい。できますかね?」と経営者様に相談を受けたときに、
「社長、まずは財務状況を正確に把握しましょう。キャッシュや商品別原価などもやもやしたままのことを見える化するのが先です。」と、動かないファクトに基づくアプローチを提案する。いわばタテ糸。
「診断士さん。ウチは3期連続で業績が良いので、次のために新市場開拓や新サービス開発をやりたいんだよね。できますかね?」との相談には、「社長、わかりました。貴社の強みからどの市場や商品コンセプトが最適かご提案させてください。」と、経営戦略に直接に提案する。いわばヨコ糸。
どちらを要求された場合でもそれを読み取って、的確に支援できるよう力をつけていきたいですね。
逢うべき糸に出会えたことを、しあわせと呼べるように。