こんにちは。事務局スタッフの森 一真です。
さて、今回は先日はじめて補助金相談対応をした話を書きます。
この補助金、最近の台風の被害を受けた事業者の事業再建を支援しようとするものです。
この補助金の公募が始まって数日後、県の診断士協会から「相談員募集のご案内」というメールが届きました。補助金の相談対応をする相談員を協会会員である診断士から募集するというものです。
業務内容は「補助金申請に際して必要な項目を、ヒアリングシートに沿って確認を頂き纏めて頂きます。」、募集要件は「①支援経験のある方、②独立診断士でやる気のある方、③企業内診断士で副業可能でやる気のある方」と書かれています。
独立後の仕事に近いことがやれそうなので魅力的です。一方、未経験のことなのでちゃんとできるか不安でした。しかし、やる気があればいいみたいなので、きっとやればできるのです。(昨年の講義で「お願いされるとき、相手はできると思っているからお願いしてくる。だから多分できる。」ということを学びました。)ということで、不安がありつつも思い切って申し込みました。
申し込んだ後、日にちと場所を指定され、当日、指定された町の商工会に行きました。
しかし私は商工会に絡む仕事も補助金の申請書を実際に書いたこともなく、知らないことだらけです。
補助金の相談ってどんな感じでやるの?どれぐらいの数の事業者さんが来るの?1組にかける時間はどれぐらい?ヒアリングをする診断士は何人ぐらい来るの?そもそも商工会って行ったことないんだけどどんなところ?
まあ、行けば全部分かるでしょうと思いながら行ったところ、診断士はまさかの私1人。県の診断士協会の取りまとめの方もいません。すなわち、私1人で商工会の方と打ち合わせをして、事業者の方の話を聴いて、なんとか通る申請書を作らなければいけない状況だったのです。ちょっと焦りました。リアルにお金に直結する補助金申請のためのヒアリングを、経験の浅い自分が1人で責任をもって行わなければならないということで、不安で仕方なかったです。
「先生、今日は今のところ5組の方が来る予定になっているのですが、今から連絡してもう1組入れたいのです。先生、お時間はよろしいですか?」
この時点で「あっ、ヒアリングは予約制で1組1時間になっているのね」と知ったのですが、すずしい顔をして「ええ、もちろん構いませんよ」と答えます。
「先生、最初の事業者さん、こんなことをしたいと言っているのですが大丈夫ですか?」
「単純な復旧ならダメですが、売上拡大の取組と言えるものなら大丈夫ですよ。」幸い、公募要領はかなり読み込んで頭に入れてきたので、なんとか答えることができました。私のことを「先生、先生」と呼ぶ商工会の方の期待に応えなければならないのでプレッシャーがかかります。
さて、最初の事業者の方が来られました。私にとっては初めてお客さまを迎えた瞬間です。緊張しました。しかし意外とここからは割とスムーズにヒアリングすることができたのです。昨年「聴く」の講義で練習した成果でしょうか。講義で練習したときよりもうまく聴けたと感じました。
一部の広告媒体をより効果のあるものに更新することを中心とした事業の取組内容を事業者の方と一緒に作り、申請書作成に必要なその他の事項も確認してちょうど1時間弱。滞りなくヒアリングでき、この1組目で、もう「あ、これなら大丈夫」と感じました。
結局この日は6組の事業者の方のお話を聴かせていただきました。なかには、「来るかどうか迷っていたんだけど、来て話しを聴いてもらってよかったです」、「この取り組みをするとこんないいことがあるんだってことに、話しているうちに気づきました」など、嬉しいことを言ってくださる事業者の方もいらっしゃいました。自分も役に立っているように思え、自信もつき、本当にいい経験になりました。
この翌週にはまた別の町の商工会に行き相談対応をしました。そちらでも面白い話、嬉しい話があったのですが、その時の話はまたいつかしたいと思います。