19期生の堀川です。
前回ブログの続きです。
11月8日(金)~11月10日(日)の3日間にかけて行われたリノベーションスクール。
今まで63の都市で開催され、卒業生は4800人いるそうです。その内容は「リノベーションスクール@青森は、県内外から集まった受講生が、8人程度のユニットに分かれ、青森市に実在する遊休不動産を題材として、全国で多様な活動をしている講師陣とともに、企画、デザイン、プレゼンテーション、事業収支の計算方法などのスキルを学びながら、実現可能な事業計画を作成します。(イベント公式ページより)」
今回は、最終日に八甲田丸(青森駅近くに停泊している元・青函連絡船)で公開プレゼンが行われました。
物件は、3つとも青森駅前地区のさびれた商店街にあり、すべてビルの1階。最近は市役所や商工会議所が移転してきて、マンションも建ち、人通りが回復しつつあります。「のっけ丼」で有名な青森魚菜センターが近くにあり、そこにはインバウンド客も来ます。
リノベーションの計画だけを策定するのかと思ったら、改装、出資、事業の運営までメンバーで手掛けるそうで驚きました。
ポイントは、その物件だけでなく、半径200メートル、歩いて5分くらいのスモールエリアを一体として計画を考えること。続いていくことが大事。それを踏まえた8分のた公開プレゼン。
物件Aのコンセプト…「みんなの台所」
事業内容…青森産食材を使用した「十字路バル」の運営。隣の八百屋さんや近くの市場の商品を進んで消費し、商取引とコミュニケーションを作る。昼から酒場、食べきりBar、まちなかコンシェルジュの配置、イベント開催など。
事業費…800万円(調達:自己資金300万円、金融借入500万円)
資金使途…改装費300万円、衛生設備150万円。厨房設備150万円、運転資金200万円
事業収支…年間1400万円。オーナーから家賃3万円で賃借し、このユニットメンバーで運営する。
強み…メンバーの中にスペインの二つ星レストランで修業したシェフがいて、料理のプランニングをする。
物件Bは、2階に昔からのバーがあります。1階が元呉服屋で、そこをリノベ。
コンセプト…「コーヒーを通じてつながるもっと自由な空間」
事業内容…キッチンカーによる飲食物の販売、スペース&キッチンカーのレンタル、ワークショップの企画運営。
事業費…260万円と少額。調達は自己資金50万円、クラウドファンディング100万円、借入110万円。
内訳…キッチンカー30万円(中古の軽トラを購入し、キッチンブースはユニットマスターからもらう)、格子窓80万円、内装80万円(地元有志でリノベーションワークショップ)、お手洗い70万円。
事業収支…月商55万円、経費293千円。家賃は日割で1,600円(オーナーと交渉する)。
特徴…厨房設備ではなくキッチンカーを採用し投資額を圧縮。近くのコーヒーショップ経営者がメンバーの中にいる。同じ豆をいろいろな店で焙煎し味の違いを楽しむイベントなどを企画。
物件Cは、映画館の入ったビルの1階。2階は診療所、3階が映画館、4階は事務所。
コンセプト…「夜店通りブロードウェイ化プログラム」。体験型エンターテイメントとして映画を体験する空間へ。
事業内容…青森の魅力を生かした新しいショービジネス。レッスンスタジオ、映画関連物販・飲食。
事業費…調達3300万円(自己資金1000万円、借入2300万円)
特徴…ユニットメンバーがダンススタジオ経営者。生徒数400名。中学校でダンスが必須科目となってから生徒は増加傾向。診療所の営業時間外や休診日にダンススクール。インバウンド客が体験できるダンスプログラムを提供。
プレゼンターはみんな話すことに不慣れだそうですが、熱意が伝わり時間があっというまでした。
自分ではとてもアイデアが浮かばないと思ったからこそ、どんなプランが出てくるのかと楽しみに参加したイベントです。
住んでいる人たちが日常的に参加し継続していけそうなプランばかりで、さびれた駅前にも人が戻ってくるのかなと青森の未来に期待が持てるいいイベントでした。