自転車のスポークを保持する為の備品ですが その様な使用目的の物は
商品として用意されていません 今回ワンオフで制作してみました
今回このスポークホルダーと言う物を作る切っ掛けになったのは
スポーツバイク専門ショップを経営している後輩が ホイールビルドの準備段階で
スポークのネジにスポークプレップを塗布しそれを乾燥させるまでの間 スポークを
保持しておくものが欲しいとの希望から始まりました
スポークプレップ Wheel_Smith ホイールスミスが
出しているネジの潤滑と緩み止めを目的に使う物で
塗布後 乾燥させる必要が有ります
彼はマグネットシートにスポークを貼っている様ですが
スポークに依っては磁力で引っ付かない物も有り 他に
良い物が無いか考えていました
経緯はその様な事で では私が何か作ってみましょう
と言う事になりました 現場で 105mm 角の角材を
貰って来ました 今回は比較的加工がし易い木工細工で
進めましょう
工作がし易い材料と言うだけで 仕事が簡単と言う訳では
有りません 作業を進めるうちに大工さんなどとの腕の
違いを思い知らされます まず定規を作ります工具を
矩(かね=直角)に使う為のものです
材木にこの様に当てて使う予定です
そして木材の切削加工に使うのは電動丸ノコです
この道具の刃も目的に応じて使い分けをします
まず現場で貰ってきた端材の要らない部分を切り落します
先程作った定規を使い 丸ノコで切ります
この道具は自転車の整備など問題にならない位
危険な道具です これで指を無くす職人さんも
沢山居ます 注意しながら作業を進めます
スポークを保持する為のスリットを刻みます 今回は溝
の巾や深さ、スポークが落ちない角度などを色々と試して
みました 元々設計図も無く私の頭のなかでもやっとした
形が有る処からのスタートです この様にしながら色々な
事を頭のなかでまとめて行きます
日が変わり
当初思っていたより長い木材が必要なのと 逆に大きさは
細くて良さそうなので 75mm 角の物を用意しました 定規も
自作物は使い難く既製品を使います
新しく用意した木材に墨付けを行いました
材料に加工する為の印を付ける事をこう呼びますが
昔は墨つぼや墨さしを使ったのでこう言うのでしょう
この墨に沿って溝を入れて行きます
丸ノコの刃を交換します
今は粗い歯数 40枚の物を付けていますが前回使うと
少し材木が欠けたりしました 今回はもっと細かな
60枚の刃に交換します この方が綺麗な工作が出来ます
刃の交換はここのネジを緩めて行います
ネジを外し刃を押えている金物も外します
このネジにもグリスを塗っている自分に
ちょっと笑えます
これで刃が外れました
逆の手順で新しい刃を取り付けて完了です
この様な物を交換した時はいきなり使っては
いけません 何も無い安全な場所で正確に
取り付いているか一度回してみて問題が無い
事を確かめます
目的に応じて刃を使い分ける 自転車のギア板と
同じですね 同じ歯だし良く似ています(笑)
さて
工作の準備が出来たので表で作業を進めます
木工事は思いの外切り屑が出ます 掃除のし易い
場所を選べば良いですね ここからは失敗はしたく
有りません真剣にやりましょう
丸ノコの刃の厚みでは一度で欲しい巾が刻めません
少し位置を換え二度切込みを入れています
ホイール一本分 36本のスポークが保持出来ます
溝を刻む際 木の目にも気を付けています 残っている
部分が 7mm 弱しかないので木目を間違うと直ぐに欠けて
しまいます
裏側にも同じ細工をします これでホイール
1ペア分 72本のスポークに使えます
表裏両方に溝が刻めました
溝にはスポークが落ち難い様に後ろ勾配に
15°程度角度を付けています
その角度は丸ノコで行います 今の状態はノコの
下側ベースからこれだけの角度が付いています
その調整をするネジはここです 次の作業で
角度は必要が無いので真っ直ぐにします
これで材木に対し直角に切断する事が出来ます
刃の切込みの深さです 今は 8mm程度の刃を出しています
スポークの溝はこれで揃えました 今度は一杯刃を出します
角材を切断する為ですが 刃を一杯出しても
奥まで届きません こんな時は裏表両方から切りますが
段差が無い様に切るのは結構難しい仕事です 本職の
大工さんもする事は一緒ですが 刃を両方から入れても
切り口がとても綺麗です
木材の頭とお尻を切り落し 目的の長さにしました
切り口も何とか綺麗に揃える事が出来ました
切り口 切断面や表面をペーパーを使い綺麗に
仕上げます
これで外での作業は終りです まだこれで
完成では無いので室内に戻りましょう
立ててみました どうでしょう溝の深さと角度も
良さそうですね
ただ 75mm 角では自立に少し不安が有ります
底板を付けた方が良さそうですね
コンパネの大きさを調整し裏から木工ビスで止めます
木材が割れない様 頭が飛び出さない様に下穴を先に
開けています コンパネの面取りもしています
これで安定しました
スポークを置くとこんな感じになります
スポークプレップを塗り 下から積み重ね
使う時は上から取って行けば上手く使えそうです
裏表の両方を上手く使える様に考えないとけません
スポークホルダーの方向を変え易い様に
天端に取っ手を付けましょう 75mm 巾の取っ手は
小さくて使い難いので この様なリング状の物にします
これで移動や反転する作業がやり易くなりました
金物の取付けには木材にヒビが入らない様に
細いスリムビスを使っています
さて 日が変わって後輩のお店に届けましょう
まだどの様な物を作ったか言っていません
ひょっとすれば Kinoさんこれは使えないですよ
なんて言われるかも分りません
車で30分程度 兵庫県西宮市に有る NRS
ニュートラル レーシング サービス 基本的に
スポーツバイクの専門店です
入口には新しく作ったと言うダスキンマットが
有りました
オリジナルの手組ホイールを主力に お客さんの
色々な要望に応えられる体制を取っています
新しく作ったスポークホルダー 一目見て気に入って
くれた様です 年中使う物では無いのでこの形状と
大きさなら使わない時の保管もし易く 移動に便利な
取っ手も良かった様です
いたずらは 小さく・・
長い記事になりましたね 最後までお付き合い頂きお疲れでしょう
11000字を超えています
この様な工作は決して上手に出来ませんが色々と考えながら作業を
進めて行くのは楽しくて良いですね 現場で他の職人さんがどの様に
仕事を進めているのか良く見ています そんな事が役にたっています
今回の NRS スポーツバイクの整備や組立は 他店で購入の物でも可能です
オリジナルホイールはコストパフォーマンスが高くて人気です
そんなお店はこちら 【 NRS ハシモト 】 一度立ち寄ってみて下さい
Kino のブログを見たでスポーツドリンクを一本・・ そんな約束はしていません(笑)
商品として用意されていません 今回ワンオフで制作してみました
今回このスポークホルダーと言う物を作る切っ掛けになったのは
スポーツバイク専門ショップを経営している後輩が ホイールビルドの準備段階で
スポークのネジにスポークプレップを塗布しそれを乾燥させるまでの間 スポークを
保持しておくものが欲しいとの希望から始まりました
スポークプレップ Wheel_Smith ホイールスミスが
出しているネジの潤滑と緩み止めを目的に使う物で
塗布後 乾燥させる必要が有ります
彼はマグネットシートにスポークを貼っている様ですが
スポークに依っては磁力で引っ付かない物も有り 他に
良い物が無いか考えていました
経緯はその様な事で では私が何か作ってみましょう
と言う事になりました 現場で 105mm 角の角材を
貰って来ました 今回は比較的加工がし易い木工細工で
進めましょう
工作がし易い材料と言うだけで 仕事が簡単と言う訳では
有りません 作業を進めるうちに大工さんなどとの腕の
違いを思い知らされます まず定規を作ります工具を
矩(かね=直角)に使う為のものです
材木にこの様に当てて使う予定です
そして木材の切削加工に使うのは電動丸ノコです
この道具の刃も目的に応じて使い分けをします
まず現場で貰ってきた端材の要らない部分を切り落します
先程作った定規を使い 丸ノコで切ります
この道具は自転車の整備など問題にならない位
危険な道具です これで指を無くす職人さんも
沢山居ます 注意しながら作業を進めます
スポークを保持する為のスリットを刻みます 今回は溝
の巾や深さ、スポークが落ちない角度などを色々と試して
みました 元々設計図も無く私の頭のなかでもやっとした
形が有る処からのスタートです この様にしながら色々な
事を頭のなかでまとめて行きます
日が変わり
当初思っていたより長い木材が必要なのと 逆に大きさは
細くて良さそうなので 75mm 角の物を用意しました 定規も
自作物は使い難く既製品を使います
新しく用意した木材に墨付けを行いました
材料に加工する為の印を付ける事をこう呼びますが
昔は墨つぼや墨さしを使ったのでこう言うのでしょう
この墨に沿って溝を入れて行きます
丸ノコの刃を交換します
今は粗い歯数 40枚の物を付けていますが前回使うと
少し材木が欠けたりしました 今回はもっと細かな
60枚の刃に交換します この方が綺麗な工作が出来ます
刃の交換はここのネジを緩めて行います
ネジを外し刃を押えている金物も外します
このネジにもグリスを塗っている自分に
ちょっと笑えます
これで刃が外れました
逆の手順で新しい刃を取り付けて完了です
この様な物を交換した時はいきなり使っては
いけません 何も無い安全な場所で正確に
取り付いているか一度回してみて問題が無い
事を確かめます
目的に応じて刃を使い分ける 自転車のギア板と
同じですね 同じ歯だし良く似ています(笑)
さて
工作の準備が出来たので表で作業を進めます
木工事は思いの外切り屑が出ます 掃除のし易い
場所を選べば良いですね ここからは失敗はしたく
有りません真剣にやりましょう
丸ノコの刃の厚みでは一度で欲しい巾が刻めません
少し位置を換え二度切込みを入れています
ホイール一本分 36本のスポークが保持出来ます
溝を刻む際 木の目にも気を付けています 残っている
部分が 7mm 弱しかないので木目を間違うと直ぐに欠けて
しまいます
裏側にも同じ細工をします これでホイール
1ペア分 72本のスポークに使えます
表裏両方に溝が刻めました
溝にはスポークが落ち難い様に後ろ勾配に
15°程度角度を付けています
その角度は丸ノコで行います 今の状態はノコの
下側ベースからこれだけの角度が付いています
その調整をするネジはここです 次の作業で
角度は必要が無いので真っ直ぐにします
これで材木に対し直角に切断する事が出来ます
刃の切込みの深さです 今は 8mm程度の刃を出しています
スポークの溝はこれで揃えました 今度は一杯刃を出します
角材を切断する為ですが 刃を一杯出しても
奥まで届きません こんな時は裏表両方から切りますが
段差が無い様に切るのは結構難しい仕事です 本職の
大工さんもする事は一緒ですが 刃を両方から入れても
切り口がとても綺麗です
木材の頭とお尻を切り落し 目的の長さにしました
切り口も何とか綺麗に揃える事が出来ました
切り口 切断面や表面をペーパーを使い綺麗に
仕上げます
これで外での作業は終りです まだこれで
完成では無いので室内に戻りましょう
立ててみました どうでしょう溝の深さと角度も
良さそうですね
ただ 75mm 角では自立に少し不安が有ります
底板を付けた方が良さそうですね
コンパネの大きさを調整し裏から木工ビスで止めます
木材が割れない様 頭が飛び出さない様に下穴を先に
開けています コンパネの面取りもしています
これで安定しました
スポークを置くとこんな感じになります
スポークプレップを塗り 下から積み重ね
使う時は上から取って行けば上手く使えそうです
裏表の両方を上手く使える様に考えないとけません
スポークホルダーの方向を変え易い様に
天端に取っ手を付けましょう 75mm 巾の取っ手は
小さくて使い難いので この様なリング状の物にします
これで移動や反転する作業がやり易くなりました
金物の取付けには木材にヒビが入らない様に
細いスリムビスを使っています
さて 日が変わって後輩のお店に届けましょう
まだどの様な物を作ったか言っていません
ひょっとすれば Kinoさんこれは使えないですよ
なんて言われるかも分りません
車で30分程度 兵庫県西宮市に有る NRS
ニュートラル レーシング サービス 基本的に
スポーツバイクの専門店です
入口には新しく作ったと言うダスキンマットが
有りました
オリジナルの手組ホイールを主力に お客さんの
色々な要望に応えられる体制を取っています
新しく作ったスポークホルダー 一目見て気に入って
くれた様です 年中使う物では無いのでこの形状と
大きさなら使わない時の保管もし易く 移動に便利な
取っ手も良かった様です
いたずらは 小さく・・
長い記事になりましたね 最後までお付き合い頂きお疲れでしょう
11000字を超えています
この様な工作は決して上手に出来ませんが色々と考えながら作業を
進めて行くのは楽しくて良いですね 現場で他の職人さんがどの様に
仕事を進めているのか良く見ています そんな事が役にたっています
今回の NRS スポーツバイクの整備や組立は 他店で購入の物でも可能です
オリジナルホイールはコストパフォーマンスが高くて人気です
そんなお店はこちら 【 NRS ハシモト 】 一度立ち寄ってみて下さい
Kino のブログを見たでスポーツドリンクを一本・・ そんな約束はしていません(笑)