Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

昔の カンパグリス

2012-02-17 20:04:37 | メンテ 用品
Campagnolo カンパニョーロが発売していた 昔の乳白色のカンパグリス
これは製造中止でもう手に入れる事は出来ません どの様なグリスか
少し見てみましょう






このグリスは私が自転車を好きになりだした頃から有り
何時の発売か正確な事は不案内です 写真の物は全て
樹脂の容器ですが これの前は金属の缶に入っており
それで良く指先を切りました

このグリスが製造中止になりもう久しいですが 私の
在庫ももうこれだけになってしまいました






私もあまり気にした事は無かったのですが この容器も
製造年によりわずかに容量が違う様ですね 約 100gです

この容器はおそらく 35年程前の物だったと思いますが
当時のお値段が 580円 これの倍以上の量が有るイモグリスが
80円程でしたから 当時とすればやはり高価なグリスだったと
思います






手触りはそれ程粘度の高い物ではなく デュラなどと比べると
ややサラッと感が有ります 近年は色々な上質で高性能な
グリスが出ていますので このカンパグリスがそれ以上に
優れているとは言えないと思います

しかし私が使っていた 40年以上前にはこれの右に出るグリスは無く
選手時代このグリスを使いトラブルが一度も無かったのが その
優秀さの証明ではないでしょうか
 
ジモンディやエディ・メルクス セルキュにモレロンそれにイノー
なんかの一流選手の自転車にも使っていたのじゃないかな(笑)








Campagnolo LB100 カンパが近年発売したグリスがこれ
PTFE 配合のグリスで昔の乳白色の物とは明らかに異なります
手触りは粘度が高いと言うより やや硬いグリスでサラサラ感を
感じます 普段使いのデュラのグリスなどと同じ様にあまり難しい
事を考えずに使える商品だと思います






さてさて何をしてるんだ 我々の年代の自転車愛好家は
この乳白色のカンパグリスを競技者もツーリング派の人達も
使った事だと思います しかし今の若い人達は興味を覚えても
もう見る事も触る事も出来ないでしょう

先日研究熱心な知人がその様な事を 自身のブログに書いていました
この様な自転車の歴史の一つとも言える商品を後年に語り継いで頂きたく
小分けし送らせてもらいます 小分けの容器は指の滑り止め剤の中身を
捨てて使いましょう この大きさが丁度良かったんですよ(笑)






私自身の在庫が残り少ないので この容器一杯で
勘弁してもらいます10g 強入りました






カンパグリスのオリジナル容器とその中身
乳白色でやや甘い香りがする ピーナツバターを
思わせるグリスです 

この時代はこのグリスを回転部にかなり多くの量を
使いました これは回転部に防水の為のシールが
ほとんどされていない事が影響していたと思います





LOC TITE ネジの緩み止剤のロックタイトです 用途により強度が色々と有り
私はホイールを組む時 ニップルの緩み止めに 222を使っています 過去に
これらの強度検証をしています ちょっと面白いですよ

その様子はここからどうぞ 過去日記 【 LOCTITE ある試み】






このカンパのグリスを望んでいた知人は ホイール組が
好きで色々な事にチャレンジしています ロックタイトも
この容器の物を買えばそこそこのお値段がします これも
少し小分けし一緒に送りましょう






しかし金魚に入れるのも難しいじゃないか 注射器型の
ポンプを使いましたが 何か思いっ切り怪しい写真に
なってしまいました(笑)

ロックタイトは嫌気性の性質で空気が遮断されると硬化
します 依って容器一杯に入れず容器内には空気を
残しておきます






じゃこの怪しい金魚とカンパのグリスを送りましょう
グリスの容器を薄型にしたのは メール便で送りたかった
からで 輸送費を考慮しての事です

送り先の知人のブログ 【 ヌーボカステ工房 】
これは今回グリスを送る事になった記事ですが 他の
記事も中々講釈がきついブログです 又覗いてみて下さい





最近はケミカル品や油脂類に限らず 多くの自転車部品が科学的な理屈で良く述べられています
しかし今回のカンパグリスが使われていた当時には その様な難しい事は何一つ書かれていません
しかし多くの選手がこのグリスを選んだのは 理屈では無く良い物は良いと感じるからでしょう
人間の持つ経験則や感じる力 大切だと思います

雨上がり後の黄色いお花 穏やかで良いですね

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REX ねじ切り機 ダイヘッド

2012-02-11 20:26:43 | 設備 水道工事
REX レッキス工業のパイプマシン 旋盤とも言うが ねじ切り機と
呼んだ方が解り易いかな そんな工具にセットするダイヘッド
これはネジを切る為の重要な部品です






REX N40A と言うねじ切り機 このタイプは 1/2~ 11/2
13A~40A のサイズのパイプのネジを切る事が出来ます

この機械のこの赤い丸い部分がダイヘッドと呼ぶ部品






このダイヘッドには手動タイプと 自動切上タイプが有り
上の写真が手動 下が自動タイプで 見て頂いた様に
一部構造が異なります






手動切上ダイヘッドを 自動タイプに付け替えましょう
機械本体のこの部分に ダイヘッドを差し込み 装着します






自動タイプに取り替え 試しにネジを切ってみましょう






今取り付けたダイヘッドはこのタイプ 1/2~3/4
13A~20A のパイプ用です






セットしたパイプは SGP 白メッキの鋼管 ガス管の
13A です パイプの切り口はリーマを使い 内径部の
面取りをします






その後 ダイヘッドをセットします






スイッチを入れると切削オイルをネジ部に噴出しながら
パイプを回転させます






ねじ切りに使う刃の事をチェーザといいますが
これがその刃で 4枚 1組です






自動切上タイプのダイヘッドは ネジが適切な長さまで
切れると 自動的に刃が開放され一定の長さのネジが切れます




今、手元に有るダイヘッド 買えば結構なお値段がします






この自動切上のダイヘッドは チェーザ(刃)と共に
かなり状態の良い物です でも残念な事に私の機械に
合わないんです ほんのちょっとしたサイズ違いで
装着出来ません 惜しいなあ 価格は7万3千円程・・・





仕事でたまにこんな地域にも来ます ここは兵庫県の芦屋浜 ずーっと遠目に見えているのは
大阪の中心地ですね この海に浮かんでいる 白い乗り物と比べたら ダイヘッドが使えないのが
惜しいって 言ってるのが馬鹿みたい ははは

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ホイールの修理は成功するのか

2012-02-08 20:53:27 | よもやま話
修理を頼まれたベビーカーの車輪 今回はその続きです
自転車のホイールを直すよりちょっと難しいね 何しろ
修理用の部品なんて用意されていないんですから・・・





かなり冷え込む日が続きますが こんな元気に咲いている花も有りました








前回は壊れていた樹脂製のホイールに 排水用の
パイプを使い補修し エポキシ系の接着剤でタイヤ等を
取り付けました その接着剤も硬化したので次の作業へ
移りましょう






この接着剤にも固定出来ない材質が有ります
ひょっとすればこのタイヤがそんな仲間かも分りません
そんな事で心配したくないので 確実にタイヤが外れない
方法を取っておきましょう






細いキリで タイヤとホイールの樹脂まで下穴を開けます




2.5mm のキリです






次はタイヤの中程の深さまで太いキリで 座彫りをします






その穴からステンレスのビスで タイヤとホイールを
縫ってしまいます






ネジの頭が埋まっている穴にはボンドで蓋をしておきましょう
これを 4ヶ所に施しました 結構きつくタイヤもはまっているし
これでタイヤが外れる事なないでしょう






さて修理したホイールをベビーカーに取り付けましょう






回転部分には Super Lube スーパールーブの 強粘度の
オイルを塗っておきましょう 

誰かがセラミックのベアリングは使わないのか なんて
言っていましたが それはちょっとオーバークオリティだね(笑)




さて一応は完成しましたよ しかしこの様な無理な修繕依頼
本来は引き受けるべきじゃないのかも分らないですね

車輪が外れて子供さんが怪我をしない様に祈りましょう





これはこれで良い味を出していますね 花が咲き終わった後の種なのかな?

今回のホイールの修繕 何とか使える程度には直りました こんな仕事も
結構楽しくて好きです 充分楽しんだから良いですよね ははは

前回の作業風景 【 ホイールの修理依頼 】

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ホイールの修理依頼

2012-02-06 20:49:28 | よもやま話
良く人から色々な事を頼まれます 知らない奥様にパンクは
直して頂けるのですか、なんて調子です 今回はホイールが
壊れたので修理を頼まれたのですが これは私の仕事じゃ
ないだろうと思いながらも ついつい引き受けてしまいました






ベビーカーです タイヤが 6個も付いています
ちょっと悪い予感がします・・・






そんな悪い予感は当たります 上は正常なタイヤ周り
下は壊れたタイヤ周り これを修理して下さいの依頼。

どんな状況でタイヤがホイール(と呼んで良いのか)から
外れたか知りませんが そのままかなり使ったでしょう
ホイールの大切な所が削れて ないやん・・・






断れば良いものを引き受けてしまいました とりあえず
ホイールを外しましょう






外したタイヤとホイール 材質は良く解りませんが
樹脂製です






さてさてどんな材料を使って直そうか ちょっと
仕事用の倉庫へ移動です 

削れて小さくなったホイールの外径を タイヤが外れない
様に成形しないといけないですよね ビニールパイプを
使って考えましょう 65mmのパイプがすっぽり・・・






高速カッターでパイプの切り口を真っすぐに整えましょう








タイヤが外れない様に外側からタイヤを押さえたいですが
それにはもう少し 肉厚のパイプが必要です だったら
肉厚にしちゃいましょう とパイプにソケットを装着






この排水用パイプに使う接着剤はこのタイプ 本来透明です
そこへブルーの接着剤を少し混ぜて使います これは施工後
接着剤の塗り忘れを確認出来る様にする為です






パイプにソケットを入れました これを欲しい巾に
切り取りましょう






肉厚の材料が出来上がりました






これをベビーカーのホイールにはめてみると
お~ ぴったりじゃないですか








そこにタイヤを装着すれば・・・ 
ありゃ タイヤの巾が広く片方を上手く納めたら
裏側にこの材料が使えないじゃない この方法は
却下だな 

まあ思い付きで進めている作業だしこんな事は
しょっちゅう起こります 他の方法を考えましょう






じゃこれでどうだ ホイールにパイプを被せ
タイヤをそれにはめる かなり窮屈にタイヤが
入るのでこれは良いかも・・






材料が用意出来たので続きは自転車小屋でします
それぞれの部品を有機溶剤で綺麗にし 脱脂もします

これらの組立てには エポキシ系の接着剤を使いましょう








これは 2液性でそれぞれ同じ量を攪拌して使います
この接着剤は一つ用意しておくと便利ですよ

自転車のフレームで カーボンと異種素材との接着は
ほとんどエポキシ系の接着剤を使っているのじゃないかな?






2液を混ぜると商品に依っても違いますが これは
10分以内に施工する必要が有ります それを越えると
硬化が始まり使えません タイヤの内側に接着剤を塗り
切り取ったパイプをはめ込みます






かなりきつめのサイズなので 上下を板で挟み
ゴムハンマーで殴って入れました おっ良いじゃない
ぴったりです






次はタイヤの内側に やはり接着剤を使い
ホイールを装着しましょう






これが外れたら修理は失敗 外れないでよ・・
この接着剤も万能では無く 使えない素材も
何種類かあります それに対しては全く接着しません
これがそれに含まれるのか分らないし 祈りましょう(笑)





さてさて修理計画は進んでいますが 接着剤の硬化が始まり実用強度が出るまで
60分 ただこれにも20℃の温度が必要で この季節の室温では完全硬化に凄く
時間が掛かります 自転車小屋では難しいので自宅に持ち帰り 20℃以上の
環境を作ります そんなんでこの続きはまた今度・・

近くの公園です まだ寒い季節ですがこの様な芽も出始めましたね

次の作業 【 ホイールの修理は成功するのか 】

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ピスト用ステム 保管部品

2012-02-04 20:26:48 | 自転車部品・用品
先日保管してあるハンドルの手入れをしましたが 今回は手持ちの
ピスト用のステムを出してみました どれも NJS 認可部品 競輪競走では
使える部品が限られるのでそれ程多くの種類はありません




私の自転車小屋 自転車の部品に関しては
色々な物が出てきます 今回はステム それも
ピスト用を見てみましょう




かと言ってコレクターでは無いので それ程
沢山在庫が有るわけじゃ有りません これらは
競輪選手の方達が 競走で使う事が出来る部品達です




競輪選手が多く使うのは このタイプ前下がりの
角度が 58度と言うステムが多いですね






どちらも NITTO 日東のステムで 58度の角度
上がクロモリで 下が軽合金の前下がりタイプ

このステムの角度は 65度のタイプも有り
そのタイプは 中角(ちゅうかく)などと言い 
73度付近の物を平行ステムと呼んだりします

鉄と軽合金の違い これは実際に使ってみると
はっきりとその違いを感じる事が出来 ハンドルも
鉄とアルミでは使用感が異なり 何を選ぶかは選手自身の
感性が左右するでしょう




天返しステム これの歴史も長く 私も一番最初に作った
トラックレーサーに鉄の物を使っていました その当時
は競輪選手のほとんどの方が天返しを使っていましたよ

競輪場へ練習へ行く時 その道中はハンドルをアップにし
そのハンドルの間にヘルメットや靴をぶら下げ通うのが
普通の光景で 私もその様にして競輪場まで行ったのを
思い出します




競輪選手が実際に使っている自転車はこんな感じ この自転車は競走用を
街道練習用に降ろした状態ですね 私が試合で使っていた自転車と比べ
全く違う動き方をします 横の動きがシビアですよ

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