Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

Campagnolo NJS ハブ フロントのグリスアップと美装

2015-09-04 20:38:06 | 自転車整備 ハブ
この数回は Campagnolo NJS 刻印のハブの整備を続けています 今回はフロントハブの
グリスアップと美装、磨きを行ってやりましょう これで完成です





先日からの後輪に続いてフロントホイールのハブの整備を続けます 前回分解し
各パーツの洗浄は済ませています 洗浄の際には複数の洗浄剤を使いその効果の
確認もしました この様子は前回の記事をどうぞご覧下さい






ハブの回転部の構造はカップ&コーンと呼ばれる物で
玉受け、スチールボール、玉押し、ロックナットから
構成されている従来のものです では始めましょう
グリスを玉受けに塗布します Campagnplo LB-100 です






このハブは NJS の刻印が有っても基本的には
RECORD の容姿をしています ボールは呼び 7/32
直径 5.5563mm の物が片方に 9個使われています
それをボールレース(玉受け)の中に収めました




最初のグリスが少し少ない様なので、足しておきましょう






一旦コーン(玉押し)を入れて 指先で回してみます
そしてグリスの量を確認します やや少な目ですが
試合用ならこの位でオーケイです 街乗り用で耐久性を
考慮するなら グリスはギッシリと詰めた方が良いですよ






反対側も同じ様にスチールボールを収めた後
シャフトにも薄くグリスを塗布しハブ本体に差し込みます






ホイールを反転させ玉押しをシャフトにねじ込みます
ここでは奥まで入っていれば結構です 調整は最後に
行います








ワッシャーの内径に突起(舌)が有るワッシャーを
シャフトの溝に合せて入れます 玉当りの調整を
する時、この突起は大きな役割を持っています






カップ&コーンの回転部の最後はロックナットです
これも奥までねじ込みます ※ ネジは全て正ネジです






ここから大切な玉当りの調整を行います ハブスパナと
モンキーレンチを使います 指先に神経を集中しガタが出る
一歩手前の一番滑らかな所を感じ取り そこでロックナットを
締め込み固定します ただこれはハブに依り癖も違うので中々
一発で決まりません 自分が納得出来るまで繰り返して下さい






ハブナットを取り付けます ナットやシャフトのネジに
オイルを塗布しておきます 自転車の部品はどの様な
物も、滑らに動くと言うのは大切な事です






ナットを奥まで締め込めば回転部分の整備は完了です 後輪から始まり長くお付き合いを頂きました
私が整備をする場合、普段整備をあまりしない人と頻繁に行う人との整備の仕方は多少変えます
今回の様にグリスを少なくしギリギリの一点でハブ調整をすると良い状態が長く続きません
自分で整備の回数を減らしあまり気を使わず使いたい場合は グリスは多く、当りは渋めに
調整してやると良いですね 目的に応じて整備の方法を変えれば良いと思います






折角回転部分の整備も終わったので 見た目も綺麗に
してやりましょう この時代のカンパのハブは磨けば
光ります ピカールなど金属磨きを使い綺麗になれよ!
と念じながら磨いてやります




磨く時、指先がツンツンと当り少し痛いですが
この様に艶々に表情を変えてくれると そんな事は
全く気になりません この後、後輪も磨いてやります




before and after



リアハブ ハブ胴の Campagnolo の文字 小ギアの
取付けネジも改めて磨きました






Campagnolo の裏には NJS の文字が彫られています
このハブに RECORD の文字は有りません 艶々です





美しいです Campagnolo NJS 認可ハブ アルマイト処理がされ、使いっ放しでよい物に比べ
絶えず磨くと言う手入れが必要な部品です、でもその結果がこの輝きなら納得が出来ますよね




今回は新しいリムを使いまだタイヤも張った事が無い
ホイールでした NJS カンパのハブと従来の RECORD
ハブとの違いも確かめたくて その様な事も考えながら
整備を進めました これについてはまた後に記事に
させて頂きます





今回一連の整備をし国産のハブとの違いも感じながら触っていました 回転部分の滑り感
これはやはりカンパ独特のものですね 実はこの容姿にも RCORD ハブと NJS の違いを
はっきりと感じています では次の記事は RECORD と NJS の違いについて書いてみましょう

前回の作業 【 Campagnolo NJS ハブ フロントの分解と洗浄剤の比較 】

次の記事 【 カンパ ピストハブ NJS と RECORD の違い 】

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Campagnolo NJS ハブ フロントの分解と洗浄剤の比較

2015-09-02 20:32:21 | 自転車整備 ハブ
前回までに Campagnolo NJS リアハブのグリスアップが終わりました 今回は続いて
フロントも整備します パーツの洗浄に使うデグリーザーの比較もしてみましょう




私が保管していますが実際に競輪競走の決戦用として用意されていたホイールです
前回までにこれのリアハブは分解~グリスアップを終わらせました 続いてフロントも
整備をしますが 少し寄り道もしたいと思います




Campagnolo NJS ハブです 従来の物と容姿の
差はあまり有りません あまりと言うのが意味深
では有りますが・・






Campagnolo と NJS の刻印が有ります
容姿は RECORD と同じですがその刻印は
されていません




ハブを分解して行きましょう ハブスパナと
適当な大きさのモンキーレンチを使います






ハブナットを外しました 工具を使うのはここからです






13mmのハブスパナとモンキーレンチを使い
ロックナットを緩めます 写真では双方の工具の
ハンドルを引き寄せたらナットが緩みます






ロックナット~ワッシャーの順にシャフトから外します








最後は玉押しを外して行きます この茶色い潤滑剤に
興味が湧きます 錆びなのか元々この様な色をしていた
潤滑剤なのか・・・ この色の物が見えたら少し慎重に
なった方が良いですね






このハブの整備は今回が初めてです これまでにどの様な
潤滑剤を使っていたのか解りません ホイール全体を見ると
とても腕の良い人が整備をしていたのが解ります ただこの
色は錆びを疑って掛らないといけませんね






シャフトを途中まで抜きました 潤滑剤の粘度が低く
玉受けの中でボールが下に落ちます






ここはボールを落してもいけないので この状態のまま
ピンセットでボールを出しました






ホイールをパレットの上に寝かせてシャフトを抜きます






反対側のボールはパレットの上に落します






左右でボールの色が違います こうして比べると
最初からこの様な濃い色をした潤滑剤では無い様です
でもその反対、最初は色が濃くてそれが退色した事も
考えられますね




この濃い色の物は何なんでしょう






指に取ってみますと 適度な粘度を感じ、錆びが
回った時の様な独特のザラザラ感は有りません
これだけの色が付く錆び方で有れば顕著にそれを
感じるはずです




玉押しに付着した物を指で拭ってみると結構な
吸着力が有り金属の表面に残っています





今回のハブの回転部分はグリスを抜いてオイルを入れる整備方法に、手応えが良く似ていました
分解するまではオイル枯れがした状態を想像していたのですが少し思惑が外れました 
いずれにしろ古い油脂と汚れたパーツを綺麗にしてやりましょう




ここからは整備の途中での思い付きで 何種類かの
デグリーザー、洗浄剤を使ってその効果を比べてみましょう 
普段思っていても中々出来ないので丁度良いでしょう
まずは私が洗車で良く使う WAKO'S のフィルタークリーナー






汚れたボールを容器に入れ上からフィルター
クリーナーを注ぎます






一瞬で油脂が溶けてしまうかと思いましたが
案外そうでは無くて、少しクリーナーの中でボールを
掻き混ぜてやりました これでチェーンを洗っても
パシパシにならないのは この辺の洗浄力の優しさ
なんでしょうね






後は何時もの様に水道水でクリーナーを乳化
させてやります






水を張ったバケツの中でクリーナーを良く濯ぎました






ワコーズのフィルタークリーナー それ程強烈な
洗浄力が有るとは感じませんでした 
これはPark Tool のシトラスチェーンブライトと言う
チェーンの洗浄剤が有りますが CB-2 1800円程度 
これもチェーンの汚れを綺麗に落しますが、有る程度の
油膜を残しますと言う物 それと感覚が似ていますね




次は赤い容器 SPIN スピンのパーツクリーナーを
使ってみましょう これも大変実績の有る商品です






先程と同じ様にボールと玉押しを容器に入れました




これはクリーナーを注いだ瞬間に油脂を洗い流して
しまいます 私が今迄、他の物で試した時と同じ
強い洗浄力を感じます






容器の中から玉押しを取り出すと一瞬で表面が曇り
錆が浮きます これは脱脂力の強いクリーナーで良く
見掛ける症状ですね






ウエスの上に戻しました 先程のボールもそうでしたが
輝きを取り戻せません錆びでは無いと思うのですが表面が
変色したままです






玉押しも曇ってやや錆びまで浮いていますが これは
ウエスで拭いてやるとこの様に輝きを取戻します






最後に KURE のパーツクリーナーを使ってみましょう
ハブシャフトとそれに装着された玉押しなどを洗います






容器に入れたパーツにクリーナーをスプレーします






これも一瞬で汚れが落ちますが スプレーの圧力も
幾らか影響してるでしょう 細部はブラシで擦ってやります
SPIN 程の洗浄力は有りませんが、適度な汚れの落ち方は
安心出来ます




ネジ山や細部も綺麗になっています そして SPIN で見られた
金属の表面が曇り錆が浮くと言う様な症状は出ません




手元に有る洗浄剤で良く使う物を選んで比較を
してみましたが何かのお役に立ちそうでしょうか
それぞれに適した役割が有りそうですね




回転部分のスモールパーツの洗浄が終わったので
ハブ本体内の掃除をしましょう この茶色いのは
洗浄液の底に錆は残っていなかったので 錆びが
影響している訳ではなさそうです この様な色の
潤滑剤だと言う事なんでしょうか・・






ここはウエスと指先を使い上手く汚れた油脂類を
拭き取ります ウエスを変えてみたりもしますよ






見える所だけでは無くダストキャップの裏側も
ピンセットなどを使い掃除します デグリーザーも
併用して出来るだけ綺麗にしました






作業を始めた時には予定をいていなかった
洗浄剤の比較などをして寄り道をしましたが
分解~洗浄が終わりました 組立、グリスアップは
次回に行いましょう





綺麗な写真が撮れました 夜中に降った雨の気配が朝まで残っていました
今回はグリスアップだけでは無く他にしたい事も有るので何時も以上に
時間が掛っています 自転車の整備だけでは無くそんな違う部分も是非
お楽しみ下さい

前回の記事 【 カンパニョーロ NJS ハブ グリスアップ 】

次の作業 【 Campagnolo NJS ハブ フロントのグリスアップと美装 】

コメント (2)
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